秋田の「小坂鉄道レールパーク」が廃線跡とは思えないくらいそのままだった

  • 公開 2017.10.10

秋田県の旧・小坂鉄道の線路と設備を利用した複合施設「小坂鉄道レールパーク」に行ってきました。


小坂鉄道レールパーク

小坂鉄道は、かつて鉱産額で全国一位だった小坂鉱山の『鉱山鉄道』。1994年に旅客営業廃止、2009年に貨物輸送が廃止されました。


小坂鉄道レールパーク エントランス

その後、鉄道施設・車両が大館市及び小坂町に譲渡され、2014年6月にオープンしたのがこの「小坂鉄道レールパーク」です。

鉱山鉄道なのでアクセスは少し大変です。今回は盛岡駅から高速バス+タクシーで来ました。詳しいアクセスはまた後ほど。


小坂鉄道レールパーク 小坂駅舎

エントランスを入るとまず目に飛び込んでくるのがこの小坂駅舎。美しい姿を保っており駅名看板の電気も点いていて、“現役感”がすごい!


小坂鉄道 小坂駅

駅舎の中の受付です。ここで入場料を払います。この記事続編でも紹介しますが「ブルートレインあけぼの」に宿泊の人は予約の名前を伝えると宿泊カードが入園券代わりになります。


小坂鉄道レールパーク マップ
小坂鉄道レールパーク ホームより

さて駅舎からホームに出てみます。…が最初、戸惑ってしまいました(笑)

どうしていいかわからないほど時代と時間が止まっているのです。


小坂駅

でも駅員さんぽい人がいて、ディーゼル機関車は動いてる(運転体験ができるので興味ある方はぜひ申込してみては!)。

そんな不思議な場所なんです。


小坂鉄道レールパーク 運転体験

うまく伝え辛いのですが、駅舎・線路・車両など本当に当時のままの姿で保たれているので、逆にアトラクション性、動線といったものが特にありません。


小坂駅構内

なので、自分のペースで構内の見たい所をじっくり見て楽しむ、という感じです。

鉄道制服を着たスタッフの方々がいっそう現役鉄道のような雰囲気を出しています。


小坂鉄道レールパークの展示車両

ようやく時間や空気の流れ(?)に慣れてきたところで、展示車両を一通り見て回ることにしました。



この客車は1921年に秩父宮、高松宮両殿下が小坂鉱山をご見学された際に使用された「貴賓客車」。小さくて可愛らしい客車でした。


小坂鉄道レールパーク あけぼの

そしてこれは、夜は“宿泊施設”にも変身する元・寝台特急「あけぼの」客車。日中開園時はB寝台開放寝台車両のみ車内も見学ができます。


小坂鉄道レールパーク あけぼの 車内

本当に当時のまま、美しく整備されていてずっとここに座ってたい気分でした…(後ほどこの列車に宿泊するんですけどね)。


小坂鉄道 小坂駅全景

今度は、駅舎から「機関車庫」へ行ってみます。


小坂鉄道レールパーク 機関車庫

車庫の中には小坂鉄道で活躍した車輌が沢山眠っていました。


小坂鉄道レールパーク 機関車庫内部

小坂レールパーク

一番奥にいた、小坂鉄道の旅客輸送に使用していた車両。写真右の木製貨車や左の無数の工具類とあいまって、異空間な雰囲気を醸し出していました。



機関車庫に隣接した歴史展示室では町と鉄道の関わりなどがわかり、見入ってしまいました。


小坂鉄道レールパーク レールバイク

自分の力で線路を走ることのできる「レールバイク」体験などもあります。お友達同士やファミリーで乗ったら楽しそうです。今回は一人なので乗りませんでしたが…


レールパーク外の観光とセットがおすすめ!


はるばる小坂鉄道レールパークまで来たら、周辺の小坂町観光もおすすめです。

筆者もここに来るまではもう少し各スポットが離れているのかと思っていましたが、全部レールパークから歩いて回れるほど至近距離にありました。


小坂レールパーク 周辺観光

写真右がレールパーク、そこから左に向かってパークの外にも廃線跡(線路)が続いています。それに沿うようにいくつか観光スポットが点在しています。


康楽館

康楽館


レールパークから徒歩約3分のところにある国の重要文化財「康楽館」は明治の芝居小屋。なんと今も現役でこの日も公演中でビックリ!

かつては鉱山で働く方々の福利厚生・娯楽施設としての役割がありました。公演を見たり施設見学ができるので、興味がある方はぜひこちらも寄ってみてください。



そしてレールパーク外の小坂鉄道廃線跡も、両側木々に囲まれた中に線路も綺麗に残っており、息をのむような美しさでした。



「廃止」の看板を見ないと今にも列車が走ってくるのではと錯覚します。

ちなみに実際、少なくとも年に2回は「ブルートレインあけぼの」がこの線路を走ります。冬、車両を雪から守るため、線路の向こうにあるトンネルまで運ばれまた春戻ってくるのです。

それ以外にもイベントなどでこの線路を保存車両が走る場合があります。


小坂鉱山事務所

小坂鉱山事務所


さらに線路沿いに歩くとドーン!と大きな建物が姿を現します。思わず『おおっ!』と言ってしまいました。

これは国の重要文化財にもなっている「小坂鉱山事務所」。

そう、鉱山の事務所です。なんと立派なのでしょう。この鉱山がいかに繁栄していたか分かります。

中も営業時間内は入場料を払って見学できます。鉱山の歴史も学べました。


小坂鉄道レールパーク「ブルートレインあけぼの」に宿泊



先ほど見学した、小坂鉄道レールパーク「ブルートレインあけぼの」。夜はなんと宿泊施設になります。しかも、ディーゼル機関車と連結して動いてやってきます。

実際に宿泊してみましたので、その様子はこちらの記事をご覧ください。


ちょっと迷う。小坂鉄道レールパークへのアクセス


最後に、小坂鉄道レールパークへのアクセスについて。筆者もどうやっていこうか結構迷いました。参考までに検討した内容をご紹介します。公共交通機関で行くには大きく4パターンあるように思います。

①新幹線で盛岡→高速バス(約1時間半)→タクシー(約3分)
②JR花輪線で十和田南駅下車→路線バスまたはタクシー(約20~30分)
③大館能代空港→リムジンバス(約45分)大館駅→路線バス(約50分)
④大館能代空港→十和田湖行き乗合タクシー(約60分ただし2名以上)

筆者は行きは①、帰りは②の逆パターンでした。
東京方面から総合的に一番快適性が高い移動は①のように思えます。
但し①の高速バスで降りるバス停「小坂」は本当に何もない場所です。その直前に寄る花輪サービスエリアで、小坂高速バス停→レールパークまでのタクシーを予約しておくのがおすすめです(電話番号などはレールパークのホームページ参照)


小坂鉄道レールパークへのアクセス 高速バス(あすなろ号)「小坂」バス停

高速バス(あすなろ号)「小坂」バス停


②の花輪線はローカル線で時間がかかるのと本数が少ないので要注意です。しかし「乗り鉄」には魅力的にな選択肢です(笑)十和田南駅舎も味のある駅舎で見応えあります。

2名以上かつ飛行機で行きたい方は③のパターンで乗合タクシーで空港から小坂町へ直行できますが、1人で飛行機入りの場合は④となり、バスの乗り継ぎが意外とタイムロスがあります。

これはあくまで筆者が行った地点での情報ですので、実際に行かれる際は最新の各交通機関・施設ホームページ等をご確認ください。

また小坂鉄道レールパークの営業期間・休園日・イベント日など詳細は、公式ホームページをご確認ください。


リンク


小坂鉄道レールパーク公式ホームページ

康楽館公式ホームページ

小坂鉱山事務所案内(康楽館公式ホームページ内)

高速バスあすなろ号(盛岡~小坂~青森)公式ホームページ

大館能代空港ターミナルビル アクセスガイド【小坂町】

「ブルートレインあけぼの」に宿泊してみたら今にも上野駅まで走り出しそうだった (宿泊レポート。2017/09/20記事)




記事内に掲載の情報は全て取材・旅行地点のものです。


記事内の情報は全て掲載時点のものです。

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