JR四国は8月22日、「忘れ物白書」を発表しました。これは2015年度(2015年4月1日~2016年3月31日)の同社の駅や列車内などでの忘れ物を集計したもので、毎年発表しています。
首都圏などではないですが、“鉄道の忘れ物”の貴重な公式データの例としてご紹介したいと思います。
増え続ける忘れ物…モノだけでなく「お金」もこんなに!
JR四国は四国エリアを中心に総営業キロ855.2km、駅数259駅(臨時駅2駅含む)、旅客列車本数は1日当たり1,006本(2016年4月現在)の鉄道会社です(同社会社概要より)。
そんな同社の2015年度の忘れ物の総件数は「34,305件」で1日あたりにすると「94件」の忘れ物が発生している計算に。
また2015年度の忘れ物の現金は総額「25,525,693円」で、1日あたり「69,742円」が忘れられたことになります。
ちなみに総件数は同社が国鉄からJRになって以降最多で、3年連続で過去最多を更新しています。
忘れ物ランキング1位はイメージ通り!?
同社で最も件数が多い品目はズバリ「傘」。
1位:傘類の件数は8,069点(同社の2015年度忘れ物総件数の23.2%)で、2位:装身具類4,609点(同13.2%)、3位:書籍・文房具3,700点(同10.6%)と続きます。ちなみに携帯電話の忘れ物は2,300点。
なお、現金の忘れ物で1件あたり最高額は列車内での「118,000円」(前年度最高額は365,000円)!
忘れる場所は列車だけではない
場所別では、列車内が圧倒的に多く23,511件(全体の68.5%)ですが、駅構内での件数も9,286件(27.1%)と意外にあるのですね。
忘れ物が多いのは何月?
同社で忘れ物の件数が一番多い月は「8月」で、総件数は3,130件。最も多い品目は、やはり「傘」(743点)。ちなみに現金の一番多い月も「8月」で計2,769,447円となっています。
意外すぎる”珍”忘れ物、四国らしいものも…
「珍しい忘れ物」も発表されています。
3年連続で載ったものは「金剛杖(巡拝道具)」。お遍路の道中でしょうか、四国らしいですね。
その他の2015年度「珍しい忘れ物」は
・「袈裟(巡拝道具)」
・「うどん」
・「Wii」
・「受験票」
・「骨付き鳥」(←焼いてあるの?生?…)
。「入れ歯」(←気になって夜も眠れません…)
など。
ちなみに2014年度・2013年度では、
こいのぼり、じょうろ、掃除機、牛丼、スイカ、菅笠(巡拝道具)、ボーリングの球、弓、バイオリン、レントゲン写真、なぎなた、大根などが報告されています。
とっても忘れてほしくない忘れ物もチラホラ…
忘れ物が戻った件数は? お金は結構戻る…!
さて、定番から意外すぎるものまで色々ありましたが、どのくらいが無事本人に戻ったのか気になるところではないでしょうか?
同社での2015年度の忘れ物34,305件のうち10,145件(返却率29.6%)、現金25,525,693円のうち、20,185,909円(返却率79.1%)が無事本人に返ったとのこと。
“モノ”と“現金”の戻る割合の差が大きいですね。
…お金を忘れた場合もあきらめないで!!
もし、忘れ物をしたときは?(JR四国の場合)
白書では、同社管内で忘れ物をした時どうすればよいかも紹介されています。
『すぐに発見できなくても後日発見される事がありますので、再度お尋ね下さい』
『列車を降りられて時間が経ってから忘れ物に気が付いた場合は、ご利用になった列車の終着駅にお問い合わせいただくと早期発見できる場合がございます』
とも、添えられています。
「忘れ物白書」の詳細は、下記ニュースリリースに掲載されています。
出典リンク
・平成27年度忘れ物白書 - JR四国ニュースリリース
・平成26年度忘れ物白書 - JR四国ニュースリリース
・平成25年度忘れ物白書 - JR四国ニュースリリース
・会社概要 - JR四国
※今回はあくまでJR四国でのデータです。鉄道会社によって大きく異なると考えられますので、一例として参考にして頂ければ幸いです。
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