【追記】ブライダルトレイン【後編】(前日・当日の様子)はこちら!
去る2013年10月14日に、山手線内で人前式を行う「みどりの山手線ウェディングトレイン」が運転され話題に。
実はこの直前の2013年9月28日、筆者もリゾート特急8両編成を貸切り、品川~伊豆高原間で披露宴列車「ブライダル踊り子号」を運行。
そこで、今回は中々ないと思われる新郎自らによるブライダルトレイン秘話をお届けする。
この【前編】では、準備編を、【後編】では前日設営&運転当日のレポートをお届けする。
期待と不安が入り混じる中、相談スタート
「そもそもどうして電車で披露宴を?」については、ぜひエキサイトニュースに取材頂いた記事を見て頂きたい。
そのうえで、ブライダルトレインが可能な鉄道会社の中でも特に運転区間や使用できる車両の”スケールの大きさ”、また私事ながら思い入れのある品川駅を始発にできる可能性があるという事から「伊豆急行 ブライダルトレイン」へ相談することとした。
決まったプランは無し。だからこそ色々な可能性が!
早速、同社本社のある伊豆高原で初めての打ち合わせへ。担当をして頂いたのは観光推進担当の方々。
そこで始めにこのようなことを教わった。
- 区間・ダイヤ(時刻)・オプションなど、決まった選択プランがあるわけではなく、個々に相談に応じる。
- 首都圏からの運転の場合、直通先のJRなどとの調整もあるので、100%希望通り(の日時など)になるとは限らない。
- 同じく上記理由から、なるべく早めに打ち合わせをスタートする必要がある(今回は6か月前にスタート)。
こうして、”フルハンドメイド”の列車披露宴準備が始まった。
まずブライダルトレインのコースを決める
参考プランとしては、東京・横浜などから貸切列車に乗車、イベントなどを行いながらJR線・伊豆急行線を経由、美しい海の車窓を眺めながら伊豆高原・伊豆急下田へ。
降車後は、移動して伊豆急系列のホテルにてホテル披露宴を行うというもの。
ブライダルトレインの列車は片道/往復選択可能で、伊豆急線内のみ(伊東~伊豆急下田間)でもOK。
今回は、ホテルは使わず列車の中を「走る披露宴会場」とすることにし、品川~伊豆高原間の往復運転、車内では大型テーブルを設置しランチオードブルや飲み放題、ケーキバイキングの提供、伊豆高原駅ではセレモニーを行って頂くこととなった。
ブライダルトレインの車両、運転日を決める
「伊豆急ブライダルトレイン」として使用できる車両はいくつかあるが、今回は「アルファリゾート21」という車両を希望。なんとまるまる8両を貸し切れる。
前面展望席や海側に向いた席、天井がプラネタリウムになっている車両など、仕掛けが満載。
普段は週末を中心に東京~伊豆急下田間を走る臨時特急「リゾート踊り子号」や伊豆急行線内の観光列車として走っている。
「アルファリゾート21」は1本しかなく、上記のようにJR線直通の特急としても使用しているため、ブライダルトレインとして使用できる日はかなり限られる。土曜だとなおさらだ。
いくつかの候補日を用意し、数週間後、なんとかJR・伊豆急双方の日程確約を頂いた。
その他オプションを決める
ブライダルトレイン車内での飲食については、オードブルはこちら側で手配し、飲み物については希望のものを伊豆急行関連会社に積み込んで頂くことになった。
なんと、生ビールサーバーも設置可能。各号車にはレンタル冷蔵庫も設置。
車内に飾る花なども、伊豆急行の紹介により、伊豆のお花屋さんにて手配頂けることとなった。
また、何度目かの打ち合わせ訪問時には、伊豆のケーキ屋さんへ赴き、新郎新婦の希望するケーキのイメージを伝え、ブライダルトレイン当日用のオリジナルケーキを作って頂く打ち合わせをしたりした。
その他、自分たちも作業
それと並行して、自分達でも自宅などで色々な準備を行った。
主な事としては、
・招待状・返信用はがきの作成(ホテルではないので、自分たちで手配または制作)
・オードブル業者との打ち合わせ
・衣装会社へドレス・タキシードのレンタル手配
・使い捨て食器や車内装飾にもこだわったため、それらの調達・制作
・BGM、車内ゲームの用意
・当日受付で配るしおりのデータ作成
・・などなど。
相談スタートから半年。
長いようであっという間に時間は過ぎ、気づけばブライダルトレイン運転前日の車内設営をする日がやってきた。
→ブライダルトレイン【後編】(前日・当日の様子)へ
ブライダルトレイン/取材協力:伊豆急行