JR西日本は21日、石川県に建設された「北陸新幹線」(2015年3月開業予定)用の新車両基地および、JR西日本版の北陸新幹線車両「W7系」を初お披露目した。

北陸新幹線用の新車両基地「白山総合車両所」
「白山総合車両所」は、「北陸新幹線」(東京~金沢間)の開業にあわせ建設されたJR西日本管轄の車両基地。
「北陸新幹線」の車両たちは石川県側ではこの基地で整備などが行われる。

「白山総合車両所」エントランス
広さは東京ドーム5.5個分。地元の例えで言うと兼六園2.2個分とのことだ。


屋上から車両基地を望む。W7系が基地内で試運転していた

車両基地の中の様子。ここで北陸新幹線は整備・点検といったメンテナンスが行われる。
現在は、順次納入されている「W7系」の確認や、開業後の整備・検査の訓練を進めているという。
車両基地関係者は「トラブルにも迅速に対応できるよう、訓練を積み上げてゆきたい」と話していた。
現在車両基地にはおよそ80人の社員がおり、2015年春の開業時には約130名の体制になるという。

新幹線車両を下から点検できるようにもなっている。

基地には北陸新幹線ならではの設備も
北陸新幹線は、冬には雪は多く降る区間も走行する。
そのため、車両を留置する車庫は屋根付きになっているほか、車両(特に床下)に付着した雪を温水で溶かす設備が一部に備わっている。

写真の線路わきに2つ見える黒いノズル付きの機械が、雪を溶かす温水装置。
なおこの線路のみ、湯気が周りに広がらないように両側に透明のカバーが設置されている。

JR西日本版の北陸新幹線「W7系」

この「W7系」は、2014年3月に長野新幹線で先行デビューしたJR東日本の北陸新幹線車両「E7系」の”JR西日本所属バージョン”。W7系の「W」は「West」の略。
なお基本的に外観や仕様は「E7系」と同一となっている。

W7系のエンブレム。マーク下の「WEST JAPAN」が「E7系」の「EAST JAPAN」と異なっている事が、数少ない相違点の一つ。

普通車。「E7系」同様、大型の枕や、通路側座席含め全席に電源コンセントを設置。

W7系のグリーン車

「グランクラス」のデッキ。
「W」から始まっている”車号”が、「E7系」と異なる。

最上級座席「グランクラス」車内

W7系の運転席
「W7系」は取材日現在、この車両基地に4編成おり、うち「W1編成」「W2編成」の2編成がメーカーからJR西日本に引き渡されているという。
残りの2編成はメーカーが引渡し前のチェックを行っているところであった。
なお年内には、10編成が白山総合車両所に配備される予定で、2014年8月からは北陸新幹線上で走行試験も予定されている。
2015年3月の開業に向け、いよいよ準備は最終段階に入ってきた。
取材協力:JR西日本
JR西日本 - 公式ホームページ