JR西日本は9月30日、JR京都・神戸線・宝塚線・学研都市線などを走る通勤型電車「207系」のリニューアル車をお披露目した。
初期車両は新製から20年以上が経過していることから、安全性向上対策やバリアフリー対応の充実等を目指したリニューアルを行っている。
「207系」は、「103系」電車などの置き換えやJR東西線の開業に伴い必要となる車両の増備を図るべく、平成2年度から15年度までに484両が製造されている。今回の主なリニューアル内容は下記の通り。
安全性向上対策
客室内の安全性向上
- 座席の中間に縦の握り棒を新設(JR西日本初):より安定して立つことができるよう配慮するとともに、座席から立ち上がる際も握れるよう考慮。
- 座席の中間に仕切りを新設(JR西日本初):万が一の衝突時における安全対策の向上を図る。また、座席端部の袖仕切りも大型化。
衝突時の安全対策の強化
- 衝突時のさらなる安全対策として、側面衝突対策やオフセット衝突対策を実施。
車両異常挙動検知装置の設置
- 脱線等の異常を検知した際に、自動的に緊急停止・列車防護(近隣の列車を止める)をする装置を設置。
先頭車間転落防止ホロの設置
- 先頭車同士が連結した際に、連結箇所への転落を防止するホロを取付け。
省エネルギー化、安定輸送
- 客室の照明にLED照明を採用し、省エネルギー化を推進(約30%削減)。
- VVVFインバータ装置(車両を制御する装置)など、使用している電子機器の老朽化対策及び安定輸送のため、電子機器を更新。
バリアフリー対応の充実
- 編成の両先頭車に車椅子スペースを新設。
- 出入口ドア閉の際に注意を促すための案内音声を新設。
この「207系」リニューアル車第一弾は、11月半ば頃にデビュー予定となっている。
取材協力:JR西日本
JR西日本 - 公式ホームページ