JR西日本は2014年12月8日、大阪の中心部を走るJR大阪環状線に新型車両「323系」を導入すると、記者会見で発表した。
「323系」とは?
大阪環状線では直通快速列車をのぞき、旧国鉄時代からの車両「103系」「201系」が使用されている。老朽化の進むこれらの車両を一新すべく造られるのがこの「323系」で、初の大阪環状線専用新型車両でもある。
「大阪環状線改造プロジェクト」の一環
JR西日本では、2013年度より大阪環状線改造プロジェクトをスタート。同線高架下の商業施設開発や発車メロディの導入、駅ホームやトイレのリニューアルなど進めている。
その一環として「新型車両」を投入するとしており、今回初めてその車両の概要が発表となった。
「323系」の特徴
「323系」は、「安全・安心の向上」「機器の信頼性向上」「情報提供の充実」「人に優しい快適な車内空間」の4つをコンセプトに開発されている。
外観デザイン
シルバーのステンレス車体に、同線で長年親しまれてきたオレンジを基調とした外観で、「大阪環状線プロジェクト」ロゴマークを先頭・側面にデザイン。
側面1両辺り3つのドアがある「3ドア車両」となっている。
人に優しい快適な車内空間・情報提供の充実
案内ディスプレイを各車両16画面設置するほか、バリアフリーの充実、座席仕切りの大型化、掴まりやすい釣り手・握り棒、立ち席用の腰あてなどが特徴。
また、特に混雑する8号車については、座席数を減らし、乗降ドア周辺のスペースを拡大する。
訪日外国人への案内強化
車内には4か国語対応の案内ディスプレイを乗降ドア上や車端部に設置。2か国語の自動放送や訪日外国人向け車内無線LANサービスも行う。
安全・安心の向上
万が一運転士が意識を失うなどの事態が発生した場合に自動的に列車を停車する装置の仕組みを従来車から変更。
挟まれたものを引抜こうとした時にドア中央のゴムの圧力変動を検知し、音声による警報や表示灯で、挟まれていることを車掌・運転士が認識できるように。
また外観デザインでもドアの位置や動作状況がわかるよう、ドア中央やドア上に黄色ラインを配置する。
機器の信頼性向上
電気機器や安全装置など主要な機器を二重系化し、1つが故障しても運転が継続できるように。
「乗車位置」が統一化
「安全・安心・快適」化に加え、今回の新車投入は別の側面の意義も。
大阪環状線では、同線用の従来車両は1両の側面に「4枚」のドアが付いているが、直通している関西空港や和歌山、奈良方面の快速列車は「3枚」と、ドアの数が異なり、乗車位置が電車によって違うという現状があった。
今回の新型車両は「3ドア」車両。大阪環状線を走る車両のドア数が統一されることにより、乗り降りがスムーズになる。また将来的にホームドアを設置する場合のハード面での課題の1つもクリアすることにもなる。
導入計画
平成28年度から平成30年度にかけて、計168両を投入予定で、103系・201系の電車をすべて置き換える予定となっている。
置き換え対象となる既存の「103系」「201系」の在籍車両は184両だが、運用効率が上がるため323系投入数は168両となる。
資料・画像・動画提供:JR西日本
改造プロジェクトの進むJR大阪環状線のプロモーションムービー。2:00からは同線に投入される新型車両「323系」のイメージムービーも。
・『大阪環状線改造プロジェクト』進行中!大阪環状線に新型車両「323系」を投入! - JR西日本プレスリリース
鉄道新聞 Twitter・Facebookページ配信中
@tetsudoshimbun - 鉄道新聞公式Twitterアカウント
鉄道新聞Facebook - 鉄道新聞公式Facebookページ