2016年6月24日、大阪の中心部を走るJR大阪環状線にデビューする新型車両「323系」をお披露目しました。
「323系」とは?
大阪環状線では直通快速列車をのぞき、旧国鉄時代からの車両「103系」「201系」が使用されています。老朽化の進むこれらの車両を一新すべく造られるのがこの「323系」で、初の大阪環状線専用新型車両でもあります。
「323系」の外観
シルバーのステンレス車体に、同線で長年親しまれてきたオレンジを基調とした外観で、「大阪環状線プロジェクト」ロゴマークを先頭・側面にデザイン。
側面1両辺り3つのドアがある「3ドア車両」となっています。
4号車の女性専用車は窓の帯がオレンジではなくピンク色となっています。
「323系」の車内
案内ディスプレイを各車両16画面設置するほか、バリアフリーの充実、座席仕切りの大型化、掴まりやすい釣り手・握り棒などが特徴です。
車いす・ベビーカースペースは各号車に設置されています。
座席の中には「Sバネ」が入っており、座り心地を良くしています。
ロングシート端の仕切りは背もたれ側に空間を設け、角度をつけることで座りやすくなっています。
乗降ドア部の足元にある、雨水を排水する穴はハイヒール等が入り込まないような構造になっています。
8号車の車内
特に混雑する8号車については、座席数を減らし、乗降ドア周辺のスペースを拡大。
立ち席用の腰あても設置されています。また優先席には個別肘掛けが備わっています。
また8号車には車内防犯カメラが試行設置されています。
4号車(女性専用車)の車内
女性専用車の車内は、ドア上部分や荷棚部分にピンクのラインが入っています。また室内灯は他の車両の「白色」に対し「電球色」になっています。
訪日外国人への案内強化
車内には4か国語対応の案内ディスプレイを乗降ドア上や車端部に設置。2か国語の自動放送や訪日外国人向け車内無線LANサービスも行います。
安全・安心の向上
万が一運転士が意識を失うなどの事態が発生した場合に自動的に列車を停車する装置の仕組みを従来車から変更。
挟まれたものを引抜こうとした時にドア中央のゴムの圧力変動を検知し、音声による警報や表示灯で、挟まれていることを車掌・運転士が認識できるように。
また外観デザインでもドアの位置や動作状況がわかるよう、ドア中央やドア上に黄色ラインを配置しています。
機器の信頼性向上
電気機器や安全装置など主要な機器を二重系化し、1つが故障しても運転が継続できるように。
「乗車位置」が統一化
「安全・安心・快適」化に加え、今回の新車投入は別の側面の意義も。
大阪環状線では、同線用の従来車両は1両の側面に「4枚」のドアが付いていますが、直通している関西空港や和歌山、奈良方面の快速列車は「3枚」と、ドアの数が異なり、乗車位置が電車によって違うという現状がありました。
今回の新型車両は「3ドア」車両。大阪環状線を走る車両のドア数が統一されることにより、乗り降りがスムーズになる。また将来的にホームドアを設置する場合のハード面での課題の1つもクリアすることにもなります。
いつから乗れるの?
2016年度から2018年度にかけて、計168両を投入予定で、103系・201系の電車をすべて置き換える予定となっています。
「323系」写真をもっと見る
鉄道新聞Facebookページでは、落成セレモニーなど記事未掲載の写真を14枚公開中。
取材協力:JR西日本
【2016/07/02 写真13枚追加】
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