3,930円で『横浜から京都日帰り』ムーンライトながら女子旅

  • 公開 2020.01.16
  • Posted by 梛野 桃子

【2021/1追記】「ムーンライトながら」は運転終了した旨が発表されました。


2019年12月25日夜遅くから26日にかけて、女子2人で鉄道を使って横浜から京都日帰り旅行をしてきました。



「青春18きっぷ」を使い、1人あたりの往復交通費はたったの3,930円相当!もう一度言います。往復です。


夜行列車を使った旅ですが、寝台ではなく座席のみ+24時間以内に帰って来るという意味で便宜上、ムーンライトながら日帰り京都旅と呼ぶことにします。



1番の目的地は京都鉄道博物館だったのですが、旅の経緯や交通費などは記事後半で説明するとして、早速その様子を女子目線で、写真を中心にレポートします。



夜遅くの横浜駅にやってきました。ムーンライトながらは繁忙期に東京と岐阜県の大垣を走る夜行列車です。


23:36 ムーンライトながら乗車



ムーンライトながらがやってきました。下りは東京を23:10に出発、終点大垣には05:45に着きます。



昭和の車両の匂い。車内は明るいです。車掌さんがわりと頻繁に通るので、夜行バスより安心感があります。乗った車両の男女比は7:3位でしょうか。



カーテンは2種類ありますが、両方閉めても窓から冷気が入ってきます。寒がりな女子は通路側の方がいいかも…ホッカイロ装着。



0時すぎ。切符見せてください~と車掌さんが来ました。日付変わって26日の印を押してもらい、いよいよ青春18きっぷ始動。これで26日中はJR普通・快速列車乗り放題に!このスタンプ1個で京都に行って帰ってきます。



小田原に着きました…深夜帯のため放送は名古屋まで停止。途中でお降りの方は、降り逃しの無いように…との放送Σ(゚Д゚)



寝る前にちょっと車内探検♪いきなりレトロで可愛い‼今や希少な国鉄時代の車両です。そしてめちゃめちゃ寒い‼冬のながらデッキに出る時は、上着必要です‼



『電気カミソリ用』コンセントにも昭和を感じます。蛇口は、手を離すとバチーンって戻っちゃう(笑)熱湯注意は本当に熱いので注意。



…もにゃり。またウトウトしていたらしく、電車が止まり続ける違和感にはっとします。浜松



浜松駅では16分間ひっそりと停まります。深夜のホームに降り立って、階段下のトイレに行ったり、自動販売機で買い物したり。



車内に戻ってまたウトウトしてると…5:00に「おはようございます」のアナウンス。友人はコンタクトを付けに行きましたが後に「化粧もこのタイミングでしておけばよかった…」と、後悔していました。


5:45 終点、大垣着→米原行き乗り換え



乗車時間は6時間9分でした。多くの乗客とともに普通米原行きに乗り換えます。



座ると、乗ってきたムーンライトながらが真横に。バイバイ(^^)/~~~ なんとか友人と並びで座れましたが、座りたい場合は早めに乗り換えたほうが良さそうです。


6:27 米原着→姫路行き乗り換え



乗車時間34分。米原で向かいの新快速姫路行きに乗り換えます。クロスシートでしたが、はじめは友人と並びで座れず。



私が作った行程表を確認する友人。分刻みの計画書だけど、前後のずれ込みもフォローする秀作です(自画自賛)



中吊りの内容がが東海から西日本になりました。パンダくろしお可愛い!乗ってみたいな……



夜が明けてきました。近江八幡。琵琶湖っぽい、一面の水辺は見当たりません。(・д・ = ・д・)


7:30 京都に到着!



約1時間乗ってきた電車は、居眠りしている間に通勤ラッシュになっていました。



ついに京都までやってきました~!まだ朝の7時半。



京都鉄道博物館開館まで時間があるのでまずは京都観光!JR奈良線に乗って京都駅から2駅5分、稲荷駅へ。


7:44 稲荷駅着



電車は混んでました。この駅には千本鳥居のハンコがあり、窓口で駅員さんに声を掛けると出てきます。


伏見稲荷大社観光



駅のすぐ前に伏見稲荷大社。ゾロゾロと人の流れがあるので迷いません。全国の稲荷神社の頂点的存在。建築物のほとんどが重要文化財です。



見所は圧倒的な数の鳥居が並ぶ千本鳥居京都に来たことをひしひしと実感。この時間(朝)は人もまだまばらで、こんな写真を撮ることができます。


9:11稲荷発、京都へ



稲荷駅周辺で狙っていたうどん屋さんが想定外で閉まっていたため、京都駅で食事することにします。(;´д`)トホホ。


9:16 京都駅着



おなかすいた…と、ふらふらしていたら、改札をはさんで向かいにうどん屋さんを発見。



鮮烈にガツンと強く香るいりこ出汁!カウンターを覗き見ると、大量のいりこがいたので、店内で出汁を取っているのは明らかです。



お腹も満足し、改めて京都駅。想像以上に広い。天井も高く、駅そのものも美しい…駅の前には京都タワー。見所いっぱいです。



駅を堪能したあとは、いよいよメインの京都鉄道博物館に向かいます。乗り場は32番ホーム…なんだこの数は!


10:27 京都駅出発



京都鉄道博物館最寄り駅の梅小路京都西駅に向かいます。ラッシュで座れませんが、乗車時間は3分です。



窓越しにキティちゃんラッピングの電車を発見。可愛い。京都駅はホームうろうろするだけで面白い車両見れそうだなぁ。


10:34 梅小路京都西に到着



2019年3月に開業したばかりの新しい駅です。構内はまだなんとなく新品の建材の匂いがします。



京都鉄道博物館はここから徒歩約2分。なお京都駅からも徒歩20分なので遠くに五重塔を見ながら向かうのもよさそう。


京都鉄道博物館



後ろに見える雰囲気のある建物は旧二条駅舎(明治37年建設の有形文化財)で、展示&物販&出口です。



入館して最初に出迎える人気者。撮影している人多数で、人が居ないタイミングが難しい(笑)



館内で、気になるカラーリングの電車が目につきました。白山色とよばれるもので、投票により期間限定で(2020年1月31日まで)この色になっています。



こんな可愛いヘッドマークが装着されていました(2019年12月29日で終了)。かつて京阪神地区とスキー場エリアを結んだ臨時夜行列車(シュプール号)のものだそうです。



こんなにずら~っと一面に蒸気機関車が並んでるのは初めて見た!!そして走れるSLが多くいるので独特の石炭と油の匂いがする!生きてる。


今回私が会いたかったシゴイチ(C51239号)!
会いたかった2機のうち、1機はあっさり発見。



変だな…もう1機会いたかったハチロク(8630号)が車庫にいない……



1回300円で本物の蒸気機関車けん引の乗車体験ができるSLスチーム号にも乗りました。今日のお当番はC62形2号機。ツバメのロゴが入った人気者です。



館内を一周したのですが、ハチロク(8630)が見当たらないので、スタッフの方に訪ねてみました。すると、機関庫にあったバラバラの運転台が8630だというのです。
Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン



しかも、炭水車はお外に放置……(´;ω;`)ウッ…期間未定ですが、あくまでも整備中とのことなので、整備が終わって、SLスチーム号として走る日が来たら、また会いに来たいと思います!!


12:30 市電カフェへ


京都鉄道博物館から歩くこと3分。



梅小路公園内水族館手前の市電カフェへ。京都市内を走っていた市電4両が、カフェとグッズショップになっています。



カタカタつりわパンが面白かったので買ってみました。吊り輪原寸大、ガリガリした歯ごたえのプレッツェルです。ビールに合いそうです。


13:05 京都駅到着



ゆっくりお土産を眺める…とまではいきませんでしたが、頼まれた八ッ橋とちりめん山椒を買うことはできました。


13:30 京都から普通/快速系列車のみで横浜へ


新幹線・特急無し今日中に横浜まで帰らないといけないので、まだお昼過ぎですが帰る時間です。



米原方面の新快速に乗り込んで帰路がスタート。楽しかった京都を後にします。



ボックスシートで、お向かいの席が空いてるくらいの混雑度。乗車時間53分。


14:23 米原着、大垣行きに乗り換え



大垣行きに乗り換えます。乗車時間35分。ボックスシートで友人と並びですが、お向かいさんと膝を付き合わせています。


15:05 大垣着、豊橋行きに乗り換え



豊橋行きは満席で、友人とはバラバラに座っています。名古屋までの35分間、乗り降りが少なそうなので、始発で席取れないと座れなさそうです。


15:46 名古屋で一度降りて向かう先は…



ホームにあるきしめん屋「住よし」。線路越しに、各ホームに店舗があるのが見えますが、3・4番線ホームのお店に行ってみます。



かき揚げきしめん530円をオーダーします。「揚げたてあげるから、まっててねー」と声を掛けられ、友人のきつねうどんが先。しばし後に私。



名古屋らしく、エビが多くてプリプリと美味しい揚げたてサクサクのかき揚げと、出汁が優しく香る汁……美味い。



作ったおばちゃんがなにやら電話で話しています。どうやら新幹線の上りホームのお店からかき揚げ30枚オーダーのようです。この店舗で揚げたものを運んでいくんですね。


16:16 名古屋出発、豊橋へ



名古屋の滞在、30分でした(しかもホーム内)。名古屋では乗降が多く、座れました。54分の乗車。


17:10 豊橋着、浜松行きに乗り換え


豊橋の乗り換え時間は16分。ここでトイレと飲み物の補充をしなくてはなりません。ついでに大好物のゆかり大あんまき(チーズ)をゲット♪



17:26豊橋を出発し浜松を目指します。通勤ラッシュで混みあっています。浜松までの35分間は、人の密度が高くて暑い…ロングシートで友人と離れて着席。


18:01 浜松着、掛川行きに乗り換え



浜松には4分遅れて着。乗り継ぎがどうなるか心配でしたが、お向かいのホームで待ってました!乗り込むとすぐ発車。ロングシートで友人と並んで着席。掛川までは26分。


18:28 掛川着、熱海行きに乗り換え


ここまでで体の感覚がおかしいのか「30分の乗車は短い」「乗り換えが10分以上あれば、トイレも買い物も行けるぜ!」という感覚になっています。



18:36発、熱海行きに乗車。ここから延々5分前後の各駅停車26回が始まります。修行。寝てやり過ごせるかな?



乗り換えは8分ありましたが、ロングシートに友人と並んで席を確保。着席して待ちます。帰宅時間帯とあり、満席で立ってる人も数名。


運転見合わせ!?



19:35友人が不安そうに画面を差し出してきました。ん( -_・)?運転見合わせ!?熱海まではあと1時間。運転再開していれば良いのですが…


20:38 熱海着


乗車時間は2時間2分でしたが、そんなに暇もせず飽きもせず。掛川でワンクッション入れたのと、ゲームのチェックインや運行情報の収集で意外とやることがあったからでしょうか。むしろ、寝る暇がありません。



10分後に発車のアナウンス。運行再開していることに一安心。乗り換えの途中、改札の脇でハンコも発見。



熱海の行先案内板、見てびっくり!絵が入ってて可愛い~



上野東京ラインの見慣れたロングシート。聞きなれたアナウンス。既に帰ってきた感覚です。少し遅れて20:48熱海発車。運行再開してて本当に良かった!横浜まで24時間の門限で帰れそうです。


22:06 横浜駅到着!



ゴーーーーーーーーーーーーール!!!!
熱海からの乗車時間1時間8分。帰りのトータル乗車時間7時間18分(移動時間含まず)。22時間30分の京都旅無事終了です!


終わって早々になんですが、身体も財布も個人的にはそんなに大変じゃなかったので、同じ移動手段ならまた行きたいなぁ。

きっと朝行けば清水寺の水も3種類全部飲めるはず。京都鉄道博物館も京都駅から歩いて行って、公園から走るスチーム号を撮りたいし……次回の京都行きの構想が早くも膨らみます。


なにしに京都へ?


今回は京都鉄道博物館にいる、シゴイチ(C51239号蒸気機関車)ハチロク(8630号蒸気機関車)に会いに行くのが1番の目的でした。しかもハチロクは動態保存なので運が良ければSLスチーム号で乗れるかもしれない!!

しかし、横浜から京都は距離があるし、交通費もかかる。そう思ってあきらめていたところ、編集長(福岡 誠)に「その気になれば格安で京都日帰り可能ですよ?」と教えてもらいました。しかも『青春18きっぷを使って。』

日帰りで行ける上に、約3,800円で!?(注:増税前の会話でした…)しかも、現地滞在時間6時間。観光する時間もある!行くぜ京都!!

…こうしてムーンライトながら日帰り京都旅を実行しました。


青春18きっぷって?


「青春18きっぷ」は5日間または5回分、JR線の普通・快速列車の普通車自由席に乗り放題のきっぷ(JR特急・新幹線などは乗車不可)。春・夏・冬の年3回発売されます。年齢制限はありません!


2019年度冬現在の発売額は12,050円のため、1日(1回)あたり2,410円相当ということになります。


ムーンライトながらって?


【2021/1追記】「ムーンライトながら」は運転終了した旨が発表されました。


ムーンライトながらは年末年始・夏休みなど、主に繁忙期に東京~大垣間を運行している夜行列車運転日に注意が必要です(執筆日現在、2020年の運行は未発表)。

車両は特急「踊り子号」などで使用される車両ですが、この列車は特急ではなく快速なので青春18きっぷでも乗車OK。ただし全席指定なので別途指定席券(530円)が必要になります。

ムーンライトながらはとても人気が高く、発売日(乗車日1か月前)にすぐ売り切れることも。今回筆者はJR東日本のネット予約「えきねっと」を使い1か月前に取りました。


交通費3,930円の内訳


青春18きっぷは、日付印を押されてからが使用開始。その日付が変わるまでの間は乗り降り自由の切符です。

横浜からムーンライトながらに乗車する際は横浜からだと乗車24分で日付をまたぐことになり、そのために1日分の青春18きっぷを使うと、お高くなってしまいます。

そこで、日付をまたいだ最初の停車駅である「小田原駅」までの片道普通乗車券を購入しておくと、小田原駅を過ぎてからの日付で青春18きっぷをスタートさせることができます。

ということで、往復交通費の内訳は+990(横浜~小田原の普通乗車券)+2,410(青春18きっぷ1回分相当)+530(快速ムーンライトながら指定席料金)=実質3,930円相当!

となりました。

ちなみに新幹線だと新横浜~京都は片道通常12,650円、往復25,300円。もちろん掛かる時間や労力は違いますが、それでも予算数千円しか無くても本当に京都へ旅行することができたのが驚きです!

ということで、この金額相当で実現できるのは青春18きっぷの利用期間かつムーンライトながらが運転されている日に実行可能となります。


女子目線でおすすめ持ち物


今回実際に旅行してみて分かった、女子目線ムーンライトながらより快適に過ごし、長距離移動のダメージを残さない方法と、あったら良かったアイテム(特に冬の場合)をご紹介します。


1、膝掛け


窓側の肩肘と足元が冷えます。なにか掛けたほうが寝やすいので、コートを代用するのですが、そもそも膝掛けがあればいいなと思いました。コートで代用するなら、ロングのダウンコートが良いです。肩まですっぽり。


2、耳栓


モーターがうるさいわけではなく、喋っている人もいませんが個人的に周りのイビキが気になり使いました…ちなみに友人に貰った使い捨て耳栓です。


3、ハンドクリーム


退屈しのぎとリラックスをかねて、お気に入りの香りのハンドクリーム。長距離夜行はお手入れタイムが存分にあるんで。癒されます。寝付けないなら、これがオススメ。


4、マスク


時節柄、感染予防と乾燥予防、そして万一人や場所の臭いが合わなかった時に、遮断して自分のペースを守るためです。ストレス防御のマストアイテム。


5、アイマスク


明るいと眠れない人のマストアイテム。しかし、フード付きのコートであるなら、コートを膝掛け代わりに肩から被れば、フードで顔もすっぽり…という技もあります。


6、ホッカイロ


コートの内側に貼って、暖かさプラス。


7、ネックピロー


首が安定したほうが寝心地は良いに決まってます。


8、メディキュット


足のむくみが一番つらいので、あると嬉しいメディキュット。


むくみといえば、筆者がやってて友人がビックリしていたことを彼女の言葉で紹介します。

『足を組んでると思いきや、その状態で上の足を前後移動。下の膝でふくらはぎを刺激してほぐしていました。これ、ヨガの先生に言われたことあります。たしかにこれなら電車で出来る!』

『乗り換えの移動は全部階段。たしかに、階段登って適度に運動したほうが血流が良くなります。疲れるけどね…。』


以上、女子『ながら』旅の参考になれば幸いです。






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