以前(2013年12月)の記事で都内を走る路面電車「都電荒川線」を特集しましたが、実は東京にはもう一つ路面電車があるのをご存知でしょうか?
それが、東京都世田谷区内を走っている「東急世田谷線」です。沿線に寺社が多く2015年NHK大河ドラマ『花燃ゆ』のゆかりの地でもある世田谷線沿線を散策してみましょう。
東急世田谷線は世田谷区の三軒茶屋駅から下高井戸駅までの約5kmの区間をのんびり走っています。三軒茶屋駅へは、渋谷駅から東急田園都市線で約5分でアクセスできます。
東急田園都市線の三軒茶屋駅から少し歩いたところに世田谷線の乗り場があります。レンガ調のかわいい駅舎です。
…と、乗車する前に、駅近くにある「キャロットタワー」という高層ビルに寄ってみます。26階には無料の展望スペースがあり、休憩したり都内を一望できます。喫茶店もありますよ。
そして、これから乗る世田谷線を上から見たり撮ったりできるスポットでもあるのです。
さて、駅に戻ります。今回はフリーきっぷである「世田谷線散策きっぷ」を買ってぶらり旅。330円で乗り降り自由のお得なきっぷです。
三軒茶屋駅と下高井戸駅には改札がありますが、その2駅以外から乗る場合は、改札が無いため車内で運賃を支払うシステムです。
いよいよ乗ります。世田谷線の車両は小ぶりな2両編成で、まるで海外の連接バスのよう。
入口は1両目の前方と2両目の後方ドアで、出口は各車両の中央にあるドアとなります。世田谷線は乗り方がちょっと変わっていて、はじめは少し戸惑いました。
まずは三軒茶屋から2駅目の若林駅で降りてみます。
「路面電車」といいながらも、世田谷線が「路面」を走るのは実はこの区間の一部のみなのです。
ここは道路(環状七号線)を横断している部分なのですが、遮断機はなく、あくまで道路の信号に合わせて電車が動くのです。
変わったポイントを見学したところで、次は1駅隣の松陰神社前駅で下車。
幕末に活躍した吉田松陰が祀られている神社です。「松下村塾」を再現したレプリカの建物などもあり、幕末の歴史を感じることもできます。
次は宮の坂で下車。駅前に緑色の可愛い電車を発見。かつて世田谷線を走ったのち江ノ島電鉄でも使用された車両が展示されています。
木の床のレトロな車内にも入ることができます。
宮の坂駅から徒歩5分ほど歩くと「豪徳寺」があります。彦根藩主井伊家の墓所があり、桜田門外の変で有名な井伊直弼のお墓もあります。
そして招き猫の発祥の地という説もあり、招き猫が奉納されている一角があります。
ものすごい数の招き猫!この招き猫たちは境内の受付で買うことができ、奉納したり持ち帰ったりする事ができます。
次は終点、下高井戸駅です。京王電鉄京王線と接続しています。
世田谷線ホームの真横を京王線が走っているため、迫力があります。
このまま三軒茶屋に戻り、ぶらり旅終了です。
ちなみに毎年12月15・16日と1月15・16日には都の無形民俗文化財にも指定されている「ボロ市」が上町駅・世田谷駅周辺で行われ、骨董品や古着、食料品など出店が並び多くの人で賑わいます。
2015年~2016年は、12月15日(火)、16日(水)、2016年1月15日(金)、16日(土)の4日間開催です。
世田谷線沿線には豪徳寺や松陰神社以外にも、世田谷八幡や目青不動など寺社が多くあります。ご朱印を頂きながら巡るのも良さそうですね。
渋谷駅からもすぐアクセスできる路面電車とともに寺社巡りも楽しめる世田谷線の旅をしてみてはいかがでしょうか。
【2015.12 記事全面更新】