東北に蒸気機関車の汽笛再び JR釜石線「SL銀河」運行スタート

岩手県のJR釜石線で4月12日より、蒸気機関車による列車「SL銀河」の運行を開始した。

東北における、観光面からの復興支援や地域活性化を目的に、「C58形」蒸気機関車を復元、夜空をイメージした外観とレトロな内装の客車4両を連結し、主に釜石駅～花巻駅間を走る。

「SL銀河」用客車と蒸気機関車「D51」（※実際は「C58」で運転）

この「SL銀河」の運行にあわせて復元された蒸気機関車は「C58形」の239号機。
1940年（昭和15年）製の”75歳”。1972年まで32年間、岩手県を中心に活躍、その後は岩手県内の公園で大切に保存されていた。

今回の復元にあたり、複数のSLの候補が挙がっていた中で、特に保存状態が良かったこの「C58 239」を選定、埼玉県の大宮にあるJRの工場や、大阪にあるボイラー会社など様々な職人の手により、見事復活した。

「SL銀河」の客車

外観は、夜空をイメージした青色をベースとし、銀河鉄道の夜に登場する星座や動物などを表現している。

「銀河鉄道の夜」の星座などが描かれている

インテリアはガス灯風の照明やステンドグラスなど、宮沢賢治の生きた、大正から昭和の世界観を表現。

車内にはラウンジやミニショップ、「宮沢賢治ギャラリー」、そして「銀河鉄道の夜」の世界を体験できる小型プラネタリウムコーナーもある。

「SL銀河」に乗るには？

「SL銀河」はJR釜石線（花巻～釜石）を中心に、臨時列車として土休日を中心に年間80日程度運行する。
日によって、花巻発釜石行き、釜石発花巻行き、他の路線での運行となるので予め時刻表や公式サイトでチェックを。

釜石線の始発駅はJR東北本線の花巻駅。東京など、新幹線からアクセスする場合は、東北新幹線の新花巻駅で釜石線に乗り換える事ができる（SL銀河も停車）。

SL銀河の乗車には、乗車区間の乗車券とSL銀河の座席指定券（運行日の1か月前から購入可）が必要。
座席指定券は大人820円、こども410円で、全国のJRみどりの窓口などで購入できる。