2019年12月10日、スマホ1つで伊豆の旅ができる「Izuko イズコ」を使って伊豆下田エリアを観光してみました。その様子を写真を中心にレポートします。
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スマホ1つで伊豆の旅はできるか!?「Izuko イズコ」体験してみた
Izuko イズコって?
スマホ1つでキャッシュレス&見せるだけの伊豆旅ができるサービス。
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Izukoで変わる伊豆の旅のイメージ(フェーズ1開始時の東急電鉄ニュースリリースより。今回はフェーズ2)
例えば画面を見せるだけで鉄道やバスに乗れるデジタルフリーパスや、観光施設の割引料金チケットや食事/体験チケットがキャッシュレスで決済・利用できたり、AIオンデマンド交通に乗ったりすることができます。
現在(2020年3月まで)フェーズ2の実証実験が行われていて、誰でも参加(サービス利用)することができます。
実際に使ってみた
まずデジタルフリーパスを買ってみる
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配布資料より
アプリではなく、ブラウザから直接Izukoサイトにアクセス。最初に会員登録とクレジットカード登録をします。
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「交通チケット」というメニューから、デジタルフリーきっぷを購入してみます。
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フェーズ2のデジタルフリーパスは計6種類
今回は「Izukoイースト」を購入します。
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Izukoイーストは、熱海~伊豆急下田間の鉄道および指定エリアのバスが2日間乗り放題で大人3,700円。クレジットカード登録済みだとあっさり購入完了!
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いよいよJR熱海駅へ向かってみます。
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このように駅員さんにチケット画面を見せればOK。なお提示用画面では、不正防止のため画面上で電車が動いています。
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熱海駅から、伊豆急行線直通の”豪華すぎる”普通電車、リゾート21に乗ります!
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この日、熱海駅ホームでは伊豆急公式キャラクター「いずきゅん」と謎解きイベント「たぬき探偵ジェリー」のコラボ記念列車の出発式も行われました。
伊豆急普通列車リゾート21、先頭車はシアター状の展望席!乗車券以外の特別料金は掛かりません。海沿い車窓は絶景です。#Izuko pic.twitter.com/91RsZ64wTY
— 鉄道新聞®︎ (@tetsudoshimbun) December 10, 2019
熱海から伊東駅まではJR伊東線、そしてその先伊豆急下田までは伊豆東海岸を走るリゾート鉄道、伊豆急行線に入ります。
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伊豆急行リゾート21の車内には、海側に向いたシートも!
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なつかしの東急の姿の伊豆急8000系とすれ違い!
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3号車広告の一部には直接IzukoのサイトへアクセスできるQRコードがありました。
Izukoが浸透してきたら、この広告のQRコードから直接下田ロープウェイのIzukoチケット購入ページへ飛べるとさらに便利だなと思いました。
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列車は伊豆急下田駅に到着!2020年3月に引退する251系「スーパービュー踊り子」(左)とパチリ。
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降りる時もIzukoの画面を見せて改札を出ます。
IzukoはアプリではなくWebベースのため、ホーム画面から瞬時にアイコンをタップできるわけではないので、ブックマーク等しておかないと、出る時ちょっと慌てます。
食事もキャッシュレス
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まずは腹ごしらえ!ということでまずは駅前にあるお土産屋兼カフェ「下田時計台フロント」へ。
このお店では名物「カレーうどん」がIzukoの対象商品となっています。
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Izukoメニューの「観光チケット」タップし、「体験・飲食券」というものを買います。500円単位で店・商品により必要枚数が異なります。
今回は1,000円のため2枚購入。決済はフリーパスと同様、登録済みのカードからとなるのでキャッシュレスです。
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店員さんに画面を見せると、ほどなくしてやってきました。さざえ・地のり・ふのりをトッピングした、店主一押しの濃厚クリーミーなカレーうどんです。
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食べ終わった後は備考にIzukoと書かれた伝票をレジに持って行きます。
先ほど購入した体験・飲食券を2枚分設定して提示します(少しココの操作が迷いました)。無事、確認が終わると…
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ポンっとデジタルスタンプを押してもらえます。
この柄はスポットごとに異なり、『御朱印帳』のように集めることができます。
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観光施設パスのスタンプ一覧(配布資料より)
AIオンデマンド交通も呼べる
AIオンデマンド交通は1日400円で乗り放題。同じくIzukoから1日券購入ができます。
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Izuko実証実験でのAIオンデマンド交通車両
乗降ポイントが決まっており、乗りたい時に呼ぶことができます。予約すると到着目安時間が表示されます。
今回は呼び出してから約7分弱で到着。車両はジャンボタクシーで、相乗りのような感じです(例:別のポイントから1人乗ってきて、また別のポイントで違う人が降りるといったイメージ)。
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乗車前に乗務員へ予約画面を提示する
各乗降ポイントからの予約状況やタイミングなどから、最適な運行ルートをAIが瞬時に判断し運転手に随時伝えられるというものです。
体験もキャッシュレス
そしてAIオンデマンド交通を降りて向かった先は…
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「羽衣」というお店で足湯&フットマッサージ体験(要事前予約)。1,500円なので500円分を3枚Izuko画面上で購入します。
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提示画面を見せれば…あぁ~足きもちいい~~
観光もキャッシュレス
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リフレッシュした後は、伊豆急下田駅の目の前より出ている寝姿山ロープウェイに乗ってみます。
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今度はIzukoの「観光チケット」メニューより、下田寝姿山ロープウェイのチケットを購入。
先ほどの体験・飲食券とは異なり、スポットごとの価格で直接画面上で購入します。
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きっぷうりばで提示用画面を見せると、またデジタルスタンプを押してもらえて、往復乗車券(頂上カフェ1ドリンク付き)と引き換えることができます。
とにかく、お財布を開くことがない!
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下田ロープウェイからの車窓です。#Izuko pic.twitter.com/rO5ASkkZlf
— 鉄道新聞®︎ (@tetsudoshimbun) December 10, 2019
ロープウェイからの車窓です。
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あっという間に頂上駅、「寝姿山」に到着。
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頂上駅直結のカフェ「ザ・ロイヤルハウス」でドリンク1杯と引き換えます。
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オリジナルアイスコーヒーを頂きました。
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海を一望できるカフェタイム。
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優雅なひと時をすごし、ロープウェイで下田駅前に戻ってきました。
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帰りはスーパービュー踊り子号で帰りました。
最初に購入済みのデジタルフリーパス「Izukoイースト」で熱海までの乗車券部分は有効。特急券は別途、駅での購入が必要です(それもIzukoで完結する日が来ることを願って)。
改めてIzukoって?&目的と課題は
最後にもう少し掘り下げてIzukoの目的・問題意識・使ってみての所感などポイントを紹介したいと思います。
日本初の観光型MaaS、今回は『フェーズ2』
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Izukoフェーズ2説明会
今回体験してみた「Izuko イズコ」は2019年4月、伊豆エリアにてフェーズ1の実証実験をスタートした日本初の、観光型MaaSです。
MaaS(マース):正式な1つの定義があるわけではありませんが、イメージとしては「運営主体を問わず、情報通信技術を活用しマイカー以外の全ての交通手段による移動を1つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ新たな『移動』の概念」といったところです。
そして改めて「Izuko」とは、観光客が鉄道・バス・AIオンデマンド乗合交通・レンタサイクルなどの交通機関を、スマートフォンで検索・予約・決済し、目的地までシームレスに移動できる2次交通統合型サービス。
フェーズ1はアプリで実施
フェーズ1は2019年4~6月にかけて行われました。
フェーズ1実施時の時点で、伊豆の現状と課題について次のように発表がありました。
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東急電鉄 Izukoフェーズ1ニュースリリースより
・伊豆は多くの観光資源が集まる魅力的な地区。2012年から観光客数も再び微増。高齢化率は約3割、人口減も進む。観光客・住民の2次交通維持が課題。
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東急電鉄 Izukoフェーズ1ニュースリリースより
・鉄道5路線、バス390系統、タクシー数社がありながら、来訪手段は「8割が車」。2次交通を利用した周遊促進が、交通事業者含めた地元経済にとっての課題。
フェーズ1の結果と、見えてきた課題
このような課題の解決を探る実証実験として、Izukoフェーズ1を実施。その結果は、
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Izukoフェーズ2説明会資料より
アプリのダウンロード数は目標を達成したものの、デジタルパス類は目標達成率が10%に留まりました。
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Izukoフェーズ2説明会資料より
もちろん、フェーズ1でも「シームレスな移動」「キャッシュレス」「オンデマンド交通の運行」実現などが実証されました。
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Izukoフェーズ2説明会資料より
同時に、課題も見えてきました。まず「そもそもアプリでいいのか?」。コールセンターの最も多かった問合せ内容が「ダウンロード方法」だったことから、アプリインストール自体が一定の壁になっていることが浮き彫りに。
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Izukoフェーズ2説明会資料より
そこでフェーズ2では、アプリではなくインストール不要のWebベースに。またデジタルパス類の商品数・エリアの拡大、繁忙期での実証実験などが盛り込まれました。
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Izukoフェーズ2説明会資料より
またサービス画面を直観的な操作性のものに改良、さらに地域課題解決としてスマホを持たないお年寄りでもTV画面でオンデマンド交通の配車ができる仕組みの導入などが盛り込まれました。
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フェーズ1と2の違い
実際使ってみて…
今回は筆者含め3人で回ってみました(うち1名は下田在住)。気付いた・感じた点などを箇条書きでご紹介します。
観光客視点で出た所感
- デジタルフリー乗車券がお得!Izukoイーストは2日間熱海から下田まで乗り降り自由なので便利
- サイトページ遷移がループすることがあった
- フェーズ1より対象店舗も増えたようだが、対象メニューも店舗あたり1つではなく色々増えると楽しそう
- 鉄道ではIzukoは有人改札で提示しないといけないので混雑時がネック。将来はICか、それが難しいなら自動改札機がQR対応になってIzuko画面QR表示で通れると助かる。
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- AIオンデマンド交通のマップに停留所だけでなくIzuko対応店舗も表示されれば目的のお店に行くのにどの停留所まで行けばよいか一瞬でわかる。
- 現在は熱海からしかデジタルフリーパスがないが将来的に東京、横浜から使えるデジタルフリーパスがあると便利そう。
- 携帯の充電がなくなると使えないのでそれが少し不安。黒船電車(コンセント席あり)以外の伊豆急の車両や対象店舗でも充電ができると助かる。
- 飲食や観光施設、交通含めてキャッシュレス支払いができるのはかなり便利。
- 荷物預かり(マッチング・予約)もIzukoでできたら便利。
下田住民として出た所感
- 今までカード等が使えないお店が多くて不便だったが、キャッシュレス対応店舗が増えるのは助かる。
- 地元住民としてAIオンデマンド交通はとても便利。実用化されて使い勝手も向上すると過疎地域の足としては本当に有効だと思う。
- 1時間に一本しかバスが来ない田舎にとって、呼べば7分(今回値)で公共交通(AIオンデマンド交通)が来るというのは夢のような話。
- 近所のおじいちゃん、おばあちゃんが使いこなすのは少しハードルが高そう。住民への一層の説明機会が望まれる。
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今回のIzuko実証実験でのAIオンデマンド交通車両
といったところです。
筆者として最大の注目点は、これらの点の多くは恐らくシステムがさらに洗練されればどれも実現できそうだということです。
そう思えるほど『かなりいい感じの所まできている』ことを実感でき、将来の本格実用化に大いに期待したいと思える結果となりました。
どうやったらIzuko使えるの?イズコの使い方
2020年3月10日までの実証実験期間中は誰でもIzukoサービス画面から購入/参加することができます。
スマートフォンよりIzuko公式サイトにアクセスし、左上の三本線メニューをタップし、「新規登録」をタップ。画面の指示に従い、登録を進めます。
なおデジタルチケット類は当日分のみ購入が可能です。デジタルチケット類を使用予定の方はクレジットカードまで事前登録しておくとスムーズです。そして旅行当日に購入をしましょう。
記事内掲載の情報はすべて旅行時点のものです。