2022年6月5日、奈良県川西町にある近鉄橿原線「結崎駅」新駅舎の使用が開始となり、駅周辺では式典やオープニングイベントが行われました。その様子を写真を中心にレポートします。
駅周辺とともにリニューアル
川西町出身の建築デザイナーで、JR西日本「WEST EXPRESS 銀河」などのデザインも手掛けた川西康之氏(イチバンセン・代表)の監修で、新駅舎・駅前広場をトータルで設計。
『川西町らしい駅・まち』をキーワードに「フューチャーセッション」開催による住民参加型の取組み、能舞台を模したウッドデッキと本物の古墳のコラボ、「小さな居場所と大きな集まり」を両立させた空間配置、伝統建築「大和棟」をモダンに表現した駅舎の建築 など、多岐に渡って川西町の独自性を全力で発揮しています。
川西氏によると、約7年前、県の広報誌に川西町出身のデザイナーとして同氏が紹介されたことがきっかけで、町からこの結崎駅・駅周辺リニューアルのプロジェクトに声が掛かったとのことです。
初めは橋上駅化として検討されていたという同駅。しかし、川西氏によれば『本当に橋上駅にするのか?町民のニーズはどうなのか?』という想いで、1年かけて地元とワークショップを重ねた所「すぐに乗れなくなる」という声が多く占める結果に。関係各所と議論し、地上駅舎となったとのことです。
また、ホーム・改札から駅前広場まで完全にフラット(バリアフリー)にすべく、駅前広場のほうを駅の高さに合わせて約1.5m嵩上げしたとのこと。
さらに、床面デザインは駅敷地・広場の境目なく、続くデザインになっている点にも注目です。
記念式典
川西町長の挨拶から始まり、奈良県知事や近畿日本鉄道 代表取締役社長らが出席し、駅の完成をお祝いしました。
オープニングイベント
オープニングセレモニーは川西町の住民の方や川西町若手課「~結(むすび)~」のメンバーが中心となり、駅前広場で学生による生バンド演奏、ワークショップや子ども向け近鉄制服記念撮影、近鉄記念グッズ販売、特急「ひのとり」ミニ鉄道展示などが行われました。
近鉄結崎駅セレモニー。
— 鉄道新聞®︎ (@tetsudoshimbun) June 5, 2022
地元幼稚園のみなさんが作った機関車からバルーンリリースの瞬間です! pic.twitter.com/G761U4BiMH
近鉄新型一般車両の模型・パネル展示
また、結崎駅新駅舎内にて、近鉄24年ぶりとなる新型一般車両の模型・パネル展示も行われました。
この車両も、川西康之氏率いるイチバンセンがプロジェクトの初期段階から関わり、現在の設計段階では同社が主に内装インテリアを担当しています。
川西氏によれば、近鉄の車両は車体幅が狭いため、車内の床を濃い色にして、側壁と天井を明るい木目調にすることで、車内を広く見せる、といった工夫などをしているとのことです。
新型一般車両は2024年秋、デビュー予定となっています。