釧路湿原を駆け抜ける

【試乗会レポ】客車がリニューアル!SL冬の湿原号で道東の旅

  • 公開 2023.01.19
  • Posted by 梛野 桃子

北海道東部の冬の風物詩として定着している「SL冬の湿原号」。蒸気機関車C11形171号機の牽引で釧路駅~標茶駅間を走り、今年で23年目を迎えます。


「SL冬の湿原号」


SL冬の湿原号は2022年から客車のリニューアルを開始、このほど全5両分が完了しました。2023年1月18日、『フルリニューアル』したSL冬の湿原号の試乗列車に乗ってきました!



SL冬の湿原号は、広大な釧路湿原エリアを走り抜けます(車両イラスト提供:JR北海道)


今回は上りの釧路発標茶(しべちゃ)行きに乗車します。


出発はJR釧路駅。国鉄時代の雰囲気を残す、風格ある建物です。


改札前には社員の方が作成したパネルが!見どころスポットが一目で分かり、いいですね♪


今シーズンの運行開始日である1月21日から、客車内フルリニューアル記念入場券も販売されます(限定2,000セット)。



出発時刻約30分前に、SL冬の湿原号が入ってきました!


ホームいっぱいに「SL冬の湿原号」停車中です。


煙突の形が特徴的で帽子みたいで可愛い♪「C11171」は1999年に動態復活。現在、北海道唯一の走るSLです。


ハンドベルの音が聞こえたら出発です。


乗車早々、目の前にはSLが!下りではSLのお顔が正面に見える”ビュースポット”です。


1・5号車:たんちょうカー


まずは2022年にリニューアルした1・5号車を見てみます。おや?ちょっと段差のある珍しい座席配置になっています。


湿原・釧路川など、見どころが集中する川側はカウンタータイプの席に。


山側のボックス席も、一段高くすることで眺望が楽しめるようになっています。


遠矢駅を過ぎたあたりから次第に車窓が釧路湿原になっていきます。1・5号車にある展望通路は、まるで外の景色の中にいるみたい!


展望通路の様子です。


展望通路の奥にはモバイル専用スペースが。いっぱい車窓を撮ってもスマホの電池を気にせず楽しめますね!


1・3・5号車のトイレが今回、和式から洋式にリニューアル。手を洗う際、手をかざしてみますが水が出ません。あれ?


なんと、足踏みペダルで水が出るタイプです!ここはレトロですね♪


各トイレの向かいの大型荷物置場も今回のリニューアルで設置されたもの。荷物置き場なのに窓や照明もあって不思議だなぁ…と眺めていたら「だってここ、元は洗面所ですから」と。なるほど!


2号車:ストーブカー(カフェカー)


2号車は他の号車より製造が古い、いわゆる『旧型客車』なのだそうです♪


天井の照明も、他の号車と違ってレトロで可愛いものになっています。


2号車にはカフェカウンターがあり、オリジナルグッズや沿線の特産品を販売しています。


サイダーやアルコール類といったドリンク類から、


スルメ、アイス、プリン、それからハンドメイドのタンチョウグッズや…


行先表示やサボまで!商品、充実しすぎていて迷ってしまいます。


おススメ商品を伺うと、標茶町「星空の黒牛」ジャーキーと、SLの煙を黒ゴマで表現したプリン、そして…


おぉぉ!高級感あるこの商品は20枚限定『客車内フルリニューアル記念 真鍮ヘッドマークプレート』(¥17,100)です。


メニュー表です(取材時点のものです)。支払いは、現金のみですのでご注意を!


3・4号車:ストーブカー


今回リニューアルされた、すべてボックス席の3.4号車。


一番のポイントは『木』にこだわっている所だそうです。


北海道産のタモ材を使用したひじ掛けやテーブルの触り心地が良い!荷棚はエゾシカの角をモチーフにしているのでよく見てみてくださいね。


2号車、そしてこの3・4号車には各1台ダルマストーブが設置されていて、とても暖かいです。


私も何か焼いてみたいなぁと思って、2号車で購入してきたんですよね。気になる一品「オスのうまさ再発見!釧路産Mr.ししゃも」


譲り合って焼きましょう♪炙ると香ばしい匂いがしてきました。そしてちょっと柔らかくなりました。


照明カバーは、タンチョウヅルの透かしが入ったとても凝ったものだと気づきました!2号車以外は全部この仕様です。


車両のタイプごとに色が違っていたシートも、タンチョウヅルとエゾシカの意匠です。車掌さんによれば、釧路湿原の中でもオススメ車窓区間は、夏のノロッコ号では走らない塘路(とうろ)駅から茅沼(かやぬま)駅とのことで、窓に張り付きます!


列車内は暖かいですが、外は極寒。湿原の水が凍り、なんとなく流れているのが川です。ココは人も車も入ることができず、列車だけが入れるエリア。文字通り『ここだけの景色』です!


空を飛んでいるタンチョウヅルも見かけましたが、茅沼駅にいっぱいいます!歴代の駅長が餌付けしていたのでここに集まってくるとのこと。今の茅沼駅は無人駅ですが、近隣住民が餌付けを引き続き行っています。


あ、牛!そろそろ標茶町に入っていますよね。「星空の黒牛」でしょうか?


レトロな感じの雰囲気ですが、各車内でWi-Fiが使えます。


釧路駅から約1時間半。あっという間に終点の標茶駅に着きました。


ここで約1時間半停車し、給水と入れ替えを行います。その間、客車には立ち入れません。駅の外に出てみましょう。


標茶駅です。「SL冬の湿原号」運転日に合わせて、標茶町の特産品を販売する「ミルクックさんのアンテナショップ」が開店します(写真左の白い建物)。運行が始まると賑やかになりそうです♪


極寒の中の入れ替え作業。この時期、最高気温もマイナスな日がほとんど。寒さ対策は万全に!


「SL冬の湿原号」、2023年は1月21日から3月21日まで、合計32日間運転を行う予定となっています。


運転日:
2023年1月21日・22日、27日〜29日
2月3日〜12日、17日〜19日、23日〜26日
3月3日〜5日、10日〜12日、17日〜19日、21日


また、運転初日の1月21日(土)には、3年ぶりに運転初日の出発式も開催されます。


リンク


SL冬の湿原号 公式ホームページ


JR北海道SL冬の湿原号ガイドページ






記事内の情報は全て掲載時点のものです。

  • 最新情報をいち早く入手!
  • 楽しい動画を発信中!
  • 今すぐ旅がしたくなる!