ベールに包まれたもう1つの原宿駅「宮廷ホーム」に行ってみた

  • 公開 2016.10.30

【10/30 18時 記事更新完了しました】


JR山手線の原宿駅には普段使用されないホームが2つ存在するのをご存知でしょうか?

1つは、山手線外回りの明治神宮側にある臨時ホームで、参拝客らで最も混雑する大晦日から正月のみ使用されます。


山手線の原宿~代々木間の車窓にチラッと見える「宮廷ホーム」

山手線の原宿~代々木間の車窓からチラッと見える「宮廷ホーム」


そしてもう1つは、山手線のホームからちょっと離れた所(代々木方面)にあるレトロな白いホーム。


このホームは「宮廷ホーム」と呼ばれる皇室専用の駅で、かつては「お召し列車」などが発着していましたが、最近はめっきり使用されなくなり幻のホームになっています。



そんな「宮廷ホーム」ですが、JR原宿駅は2016年10月30日に開業110周年を迎え、その記念としてベールに包まれていたこのホーム周辺が1日限りで一般開放されましたので行ってみました。


いよいよ中へ!



普段は固く閉ざされており、周りからも中の様子を見る事が出来ない「宮廷ホーム」。



その扉がきょう、開きました!



駅なのに立派な門。妙な緊張感が走ります。



いよいよ中に入ります…!



ここは筆者も物心ついたころから山手線の車窓で見るたびにずっと気になっていたホームです。



入るとすぐに守衛小屋と思われる建物がありました。この存在は知りませんでした。ちょこんとしていて可愛らしかったです。



ホームの中央部分です。この日は演奏などのイベントがあるため、パイプ椅子が並べられています。




白い屋根に黄色い白熱灯の光が灯ります。長い間使用されていないホームですが、切れている電球は無く全て綺麗に点灯していました。



ホームの中へは入れませんが、至近距離でホームや広場を見ることができました。



柱の一部には古い線路を再利用しているように見受けられました。



山手線から宮廷ホームは見られますが、宮廷ホーム側から山手線を望むのはとっても新鮮!



皇族専用ホームなので、改札口や駅名標、黄色い線もありません。



山手線のほか、埼京線・湘南新宿ラインの線路も並走しているので色々な種類の電車を間近で眺めることができました。



新宿~日光方面を結ぶJRの特急車両(元・成田エクスプレス)です。



レトロなホームと、現代車両の組み合わせ。思わず沢山シャッターを切ってしまいました。



時計も、ちゃんと正しい時間を刻んでいました。



この写真の後ろ側には「貴賓室」があり、外から見学することができました。

「貴賓室」は撮影禁止のため写真でご紹介できないのですが、特に飾り気のない雨戸をガラガラと駅員さんが開けると、急に全面ガラス戸越しに貴賓室が現れビックリ。

中は意外とこじんまりとした空間に洋風のテーブル・椅子がありました。


「宮廷ホーム」の正式名称があった!



現地に掲出されたボードによれば、この宮廷ホームの正式名称は「原宿駅側部乗降場」とされ全国で唯一の皇族専用ホーム。

有効長は217メートル、ホーム長は171メートル、信号扱い所のほか貴賓室や待合室があります。


初めて宮廷ホームが使用されたのは1926年8月10日で、大正天皇・皇后両陛下が葉山御用邸ご静養に向かうために原宿~逗子間でお召し列車が運転された時のこと。

そして最後に使用されたのは2001年5月21日で、多い時は年間20回程度の発着がありましたが、この約15年間は使用されていないとのことでした。



宮廷ホーム広場ではこの日、原宿駅開業110周年記念入場券セットの販売も行われました。


JR原宿駅は2020年までに全面リニューアルを予定。長い間使用されていないこのホームの今後も気になる所です。





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