日本で本物のオリエント急行に乗れる美術館がある!

  • 公開 2013.12.10

オリエント急行といえば、数々の映画や小説の舞台としても人々を魅了してきた、ヨーロッパを走る豪華寝台列車である。

そんな豪華列車に乗れて、しかも優雅に車内でティータイムを過ごせる場所がなんと日本にあるのだ!


箱根ラリック美術館 オリエント急行 1

箱根ラリック美術館ガーデン


場所はこちら。神奈川県の箱根にある「箱根ラリック美術館」。
ここに、そのオリエント急行で使用されていたサロンカーが展示されている。

どうしてここにそんな貴重な車両があるのか?とお思いの方もいるだろう。実はこちらの美術館で紹介されている宝飾・ガラス工芸作家であるルネ・ラリックこそが、この車両の室内装飾を担った人物なのである。


実際に行ってみた


箱根ラリック美術館 オリエント急行 2

箱根ラリック美術館 オリエント急行 3

箱根ラリック美術館 オリエント急行 4

箱根ラリック美術館 オリエント急行 5

エンブレム


当日予約を済ませ、指定時間にスタッフの案内を待つ。
広々とした空間に、ひときわオーラを放つサロンカーが展示されていた。


箱根ラリック美術館 オリエント急行 6

車内に乗り込む前に車両の隣にあるスペースで映像による説明がある。


車内


箱根ラリック美術館 オリエント急行 7

中に入ると右手にすぐ個室があった。木目調の温かみのあるデザインはクラシックホテルそのものである。


箱根ラリック美術館 オリエント急行 8

どう見てもホテルの一室にしか見えない。
傘のあるランプが印象的で、黄色い光が上品である。


箱根ラリック美術館 オリエント急行 9

箱根ラリック美術館 オリエント急行 10

ラリックのガラス工芸に交じって車内には大きな鏡もあり、空間をより広く見せる工夫がなされている。


箱根ラリック美術館 オリエント急行 11

こちらがラリックのガラス装飾。全部で8枚のデザインが車内のいたるところにはめられている。光のあたり方によっていろいろな雰囲気に変わる様子も楽しみの一つだ。


箱根ラリック美術館 オリエント急行 12

テーブルは窓側に跳ね上がるようにできており、車内をより広く使用することもできる。
椅子は固定式ではなく、大きさ的に窓からもドアからも出し入れができない程大きい。搬入時には資材をわざわざ車内に運び中で組み立てを行った。


箱根ラリック美術館 オリエント急行 13

呼鈴


各席の窓側にはこのように呼鈴ボタンが備え付けてある。


箱根ラリック美術館 オリエント急行 14

洗面台


箱根ラリック美術館 オリエント急行 15

ランプ


トイレ・洗面台も備え付けられているが使用は不可。車内天井のランプシェードもラリックの作品で小さな花が咲いているようである。


ティータイム


箱根ラリック美術館 オリエント急行 16

テーブルに案内され、あらかじめ注文しておいた飲み物が運ばれてくる。


箱根ラリック美術館 オリエント急行 17

各食器もオリエント急行特別仕様になっていた。30分程ティータイムを過ごしたあとは、制服を着たスタッフが車内の説明を行ってくれる。

ちなみに、このサロンカーは1988年に日本のテレビ会社がパリから東京まで陸路・航路にてオリエント急行を走らせるという特別企画で日本を訪れた車両の1両であり、今回の展示で二度目の来日という、なんとも日本に縁のある車両なのだ。


皆さんも是非一度、豪華列車でティータイムを満喫してみてはいかがだろうか?

箱根ラリック美術館ホームページ


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