JR東海+16私鉄も乗り放題!「乗り鉄 たびきっぷ」を使ってみた【旅行記】

  • 公開 2018.11.03

【2018/11/07】記事更新完了しました。


JR東海が販売しているちょっと珍しいフリーきっぷ「乗り鉄☆たびきっぷ」で乗り鉄の旅をしてきましたので、その様子を写真を中心にレポートします。



「乗り鉄☆たびきっぷ」って?


JR東海の在来線全線+フリー区間内私鉄16路線の普通車自由席が土休日の連続する2日間乗り放題のフリーきっぷ。販売3年目のきっぷです。


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「JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」



個人的にはこのきっぷ、同社としてはちょっと珍しいフリーきっぷだと思います。例えば…


  • JR東海が販売する常設のフリーきっぷはJR線のみ乗れるものが多い中、私鉄16社分ものフリー区間が含まれている
  • 別途特急券を購入すれば新幹線や特急も利用可能(新幹線は熱海~米原間 4回まで)
  • このフリーきっぷのためだけに専用アプリまで用意されている(ポイントラリー)

というように、まさに『乗り鉄』したい人向けのきっぷになっています。



こんなにいろんな私鉄に乗れてしまう!(フリー区間対象16私鉄)


きっぷは2日間有効なので、どこかで宿泊しつつ、気になる鉄道を乗りつぶしたり、一部区間で何社かハシゴしたり…16私鉄すべてを1回で全区間乗るのは難しいかもしれませんが、行程を考えるところから楽しいきっぷです。


「乗り鉄☆たびきっぷ」フリー区間

「乗り鉄☆たびきっぷ」フリー区間(※路線図・イラスト・写真はすべてイメージ)


このきっぷを企画した担当者によれば『これまで接点があまり無かった会社を含め私鉄各社を1社1社訪ねて声をかけて、今までにないきっぷを作り上げました』とのこと。『鉄道ファンから親子旅まで、東海エリアでゆっくりした鉄道旅を満喫してください!』とのことです。


豊橋~掛川エリアの私鉄に乗ってみる


今回乗車するエリアのイメージ(赤線は筆者加筆)


今回は、この「乗り鉄☆たびきっぷ」を使って、豊橋~掛川エリアの私鉄を中心に巡ってみます!赤線が今回乗る範囲のイメージです。



印刷限界まで詰め込んだという、フリー区間案内の路線図。もう券面から見応えあるきっぷです!


①豊橋鉄道(市内線;路面電車)


駅前電停(豊橋駅)から乗車


豊橋駅の東口を出てデッキを少し進んで階段を降りたところに、市内線(路面電車)の乗り場が現れます。



初見だとちょっと乗り場が見つけにくいかも…案内看板などを見ながら注意深く探してみてください。



「のってみりん」というサイトで、リアルタイムで路面電車の現在位置、その車種までわかります。


市役所前電停(豊橋市公会堂)



市役所前電停近くに見えるクリーム色の「豊橋市公会堂」。1931年竣工、ロマネスク様式のひときわ目をひく建物でした。



豊橋鉄道の担当者曰く、市役所前電停のこの線路周辺のアスファルトを剥がすと、普通の鉄道のように枕木とバラストがでてくるそうです!


井原電停の急カーブ(車内から観察)



再び路面電車に乗り、さらに進みます。途中の井原電停という所には、半径11mという「超」急カーブもあります!


市内線の営業所(車内から観察)



競輪場前電停には建物と建物の間にひょっこりと2本の留置線が。実際車窓から見ると「え、こんなところに突然!」というような光景でした!


東田坂上電停(石畳を駆け上がる様子を観察)



東田坂上電停でまた下車してみます。この駅も「鉄たびアプリ」のチェックポイントの一つ『石畳を駆け上がる路面電車』となっています。



その名のとおり、結構急な坂になっていて駆け上がる(下りる)路面電車のビュースポットになっています。



チェックインポイントに入り、チェックインボタンを押します。



50ポイントゲット!溜まったポイント数(100ポイント~)に応じて、壁紙がゲットできるほか、JR東海や私鉄各社提供の鉄道グッズプレゼントの抽選に応募することができます。


終点・赤岩口電停(車両紹介)



終点の赤岩口電停までやってきました。線路端は車止めなどはなく、線路がプツっと終わっていました。



今回取材ということで豊橋鉄道様のご厚意により車庫にいる車両たちも特別に見せて頂きましたのでご紹介します!



豊橋名物「ブラックサンダー」



豊橋鉄道名物の「おでんしゃ」車両も。



パトロールカーのような「パト電車」。

このように『どんな外観の電車が来るかな!?』という楽しみ方ができる路線です。


赤岩口から豊橋駅へ



帰りは「ほっトラム」という全面低床車両(LRV)に当たりました。広くて内装も洗練されています。

駅前電停(豊橋駅)まで戻ってきました。


新幹線で移動



この「乗り鉄たびきっぷ」、4回までフリー区間内の新幹線も乗れる(特急券別途購入)ので、今度は豊橋から浜松まで新幹線で移動しました。


②遠州鉄道(遠鉄電車)


新浜松駅から乗車!



JR浜松駅の北口を出て左側、遠鉄百貨店を抜けたところに遠州鉄道、新浜松駅の入口があります。



今日は紙のきっぷですが、ICカードは独自の「ナイスパス」というものです。



地元で「あかでん」と呼ばれるほど真っ赤な車体が特徴ですが、企業ラッピングの緑の車両に遭遇。



遠鉄電車は単線で日中2両編成ながら、完全12分間隔(日中)・ワンマンではなく車掌常務・全体の1/3程度が高架、など鉄道ファン的にちょっとユニークな形態の路線です。


八幡駅で下車、浜松八幡宮へ



八幡(はちまん)駅で下車しました。徒歩約5分のところにあり、チェックポイントにもなっている「浜松八幡宮」へ。



徳川家康は浜松入城以来、武家の守護神・浜松城鬼門鎮守、鬼門降伏の氏神としてこの浜松八幡宮を信仰したと言われています。



なぜココがチェックポイントになっているかというと、遠鉄電車の新車納入時の安全祈願をこちらにお願いしているから、とのこと。遠鉄電車の“隠れ聖地”!


おしゃれな変電所



ちなみに八幡駅前にあるこの建物、オシャレな一軒家?教会?と思いきや…



実は遠州鉄道の変電所だそうです。



今度は通常の赤い電車が来ました。



この路線、新浜松~上島間は高架、自動車学校前駅からは地上と、二種類の高さで車窓を楽しめます。


西ヶ崎駅で古い電気機関車を観察



遠州鉄道が保有する電気機関車「ED282」。レール運搬などのために使っているそうです。1925年イギリス製の”おじいちゃん機関車”です。



ここもチェックポイントになっています。


終点、西鹿島駅



さらに北へ、遠州鉄道の終点西鹿島(にしかじま)駅に到着。この駅は天竜浜名湖鉄道と接続しています。



西鹿島駅近くの鰻屋さん「にゅうやっこ」で昼食。


③天竜浜名湖鉄道(天浜線)



さて、西鹿島駅に戻り、今度は天竜浜名湖鉄道(天浜線)に乗りました。



のどかな景色を存分に楽しめます。“森のトンネル”も。


都田駅



天竜浜名湖鉄道の無人駅「都田駅」に到着しました。



お!?なんか一般にイメージされるような無人駅と違い、ずいぶんと可愛い…



駅舎をリノベーションした駅cafeがあり、コーヒーの薫りがほのかに漂います。



シャンデリアやマリメッコなどの装飾もあいまってまさに異次元の無人駅でした。



都田駅から、天竜二俣駅まで再び乗ります。


天竜二俣駅 洗車機体験ツアーに参加



天竜二俣駅で天浜線の洗車機体験ツアーに参加しました。天竜二俣駅から回送列車に乗ります。



さらに、乗ったままターンテーブル回転体験!前か後ろにしか進めないはずの鉄道車両がぐるっと回るのはものすごく不思議な感覚でした。




車内で貴重な体験をした後は、下車して今度は外からターンテーブルが回る様子を見学。



扇形車庫は『木造』の立派な車庫でした。





隣接の鉄道歴史館も見学することができました。主に天浜線の国鉄時代に使われていたものが沢山展示されています。



この建物自体も当時からの木造の建物で、昔の家のにおいのような…といいましょうか、そんな匂いも感じられました。



ツアーでは天竜二俣駅の詰所も見学できます。ほとんどが現役で使用されているそうです!



本当にタイムスリップしたような感覚に陥りました。



お風呂は、同線が国鉄でSLが走っていた時代に、乗務員の全身に付いた”すす”を洗い流すために使用されていたもの。



取材日現在、乗車したまま転車台に乗れるツアーと、駅から歩いて外から転車台などを見学するツアーの2種類があります。

参加方法などは、記事最後にリンク紹介の天浜線公式ホームページにてご確認を。


天竜二俣駅・駅周辺



天竜二俣駅に戻ってきました。



駅構内には自転車のように線路の上を漕ぐ「ミニトロ」に自由に乗ることができます。



天竜二俣駅前の公園には、国鉄時代に同線を走っていた本物のSLが鎮座していました。



さらに、駅近くにはかつてのブルートレイン車両「20系客車」や「キハ20」の姿も見ることができます。



きっぷはどこで買える?&留意したいポイント


この「乗り鉄☆たびきっぷ」は「フリー区間内のJR東海の主な駅のきっぷうりば」で発売しています。

東京駅や新大阪駅などでは発売していないので、例えば東京からこのきっぷを使いたい場合、熱海駅まで別途乗車券(・特急券)等で移動し、熱海駅のJR東海の窓口で「乗り鉄☆たびきっぷ」を購入することになります(当日購入OK)。

また、例えば帰りに「たびきっぷ」を持っていて名古屋から東京まで新幹線に乗る場合、乗車券のほか特急券も名古屋~熱海と熱海~東京の2枚用意(分割)する必要があります。ルールの詳細は下記「関連リンク」の「乗り鉄☆たびきっぷ公式ページ」でご確認ください。


また、記事中で紹介したアプリをあらかじめインストールしておくと現地で慌てなくて済みます。また一番最初だけ、きっぷの発行場所や券の番号を入れる必要があります。


今回の記事内で回ったのは3私鉄ですが、この他にもあと13私鉄も、乗り放題です!ぜひ皆さんも思い思いの行程で東海エリアの『乗り鉄』旅をしてみてはいかがでしょうか!


期間限定「愛知DCフリーきっぷ」も


2018年10月から12月にかけて実施されている観光キャンペーン「愛知デスティネーションキャンペーン(愛知DC)」にあわせ、JR東海が期間限定で愛知の鉄道を堪能できるきっぷを出しています。


愛知DCフリーきっぷ

愛知DCフリーきっぷ


こちらは「愛知県内のすべての鉄道路線」などが2日間乗り放題!

そう、県内の『名鉄』や『近鉄』も対象!!

この愛知DCフリーきっぷは旅行商品やエクスプレス予約・スマートEXの条件を満たした購入者が利用可能。詳細は下記リンクの公式ホームページでご確認を。


愛知DCフリーきっぷ フリー区間

「愛知DCフリーきっぷ」フリー区間


関連リンク


JR東海「乗り鉄☆たびきっぷ」公式ページ

公式Facebookページ「鉄たびきっぷ」

豊橋鉄道公式ホームページ

遠鉄電車公式ホームページ

天浜線公式ホームページ


愛知DCフリーきっぷ公式ページ






記事内の情報は全て掲載時点のものです。

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