10月14日は日本初の鉄道が開通した「鉄道の日」ということで、初心にかえり(!?)東京の中心を走る「山手線」に乗って、ほぼ1周する一人グルメツアーをしてみました。
ある”JRきっぷの特例”を活用することで、ほぼ1周にもかかわらず1駅分の「140円」でおトクにまわる事ができるのです。
キーワードは「大回り乗車」という特例
JR線において、東京・大阪などでは「大都市近郊区間」というエリアが定められています。
そのエリア内のみを普通乗車券で利用する場合「実際の経路にかかわらず、最も安い計算の運賃で乗車できる」という特例(通称:大回り乗車)があるのです。(→JR東日本公式の特例説明ページ)
ちなみに東京の「大都市近郊区間」エリアは下記のとおりです。東京といいつつも、北関東や長野県の一部まで含んでいます。
たとえばJRで品川から東京に行く場合、京浜東北線・東海道線など(図の赤線)に乗る方が多いと思いますが、青線のような遠回りなルートでも運賃は変わらないのです。
ちなみに乗車券の有効期間は原則1日で、乗車経路は自由に選べますが乗車区間は重複してはならず、また途中下車はできないので、その点は注意が必要です。
山手線内グルメツアーの条件は「改札内」
それでは、この特例を活用して恵比寿駅から山手線グルメツアーに出発!
特例では途中下車(=改札を出ること)はできないので、「改札内」(改札の中)のグルメスポットを目指すのがポイントです。
ゴールはおとなりの渋谷駅とします。恵比寿から渋谷へは外回り(時計回り)に乗れば約2分で行けてしまいますが、あえて内回り(反時計回り)に乗って、ほぼ1周。その間5駅の改札内エキナカ飲食スポットを巡ってみました。
1、恵比寿駅でフレッシュジュース
今回は分かりやすいように、切符で乗る事にします。恵比寿~渋谷の140円の切符を買って、いざスタート!
恵比寿駅東口の改札をくぐると真正面に黄色いスタンドが。フルーツとハチミツを使ったジュース屋さんです。
さっそく「ミックスジュース」を飲んでみました。
一人で飲んでいると、後からサラリーマンと思わしき一人客がゾロゾロと並び始めました。次の電車が来るまでに飲めるお手軽感がいいですね。
内回り電車がやってきたので、次のスポットを目指します!
2、大崎駅であったかスープ
恵比寿から渋谷を目指しているにもかかわらず、どんどん渋谷から遠ざかります。内回り3駅目の大崎駅に到着。
大崎駅は、山手線ホームの真上にスープ専門店「Soup Stock Tokyo」があります。
「ゴッホの玉葱のスープ」を頂きました。
行きかう人々を眺めながらほっと一息。体もポカポカになるのでこれからの季節にオススメです。
3、秋葉原駅でスイーツ三昧
大崎駅の次の品川駅にも改札内に様々な飲食店がありますが今回は通過。
7駅進んで秋葉原駅にやってきました。
中央改札口近くに2014年オープンした、東北など東日本の食を中心とした地産品ショップ「のもの」に向かいます。
この2階には「のものキッチン」という穴場カフェがあります。地域の味を楽しめるカフェ飯やランチ・スイーツのほか、朝はモーニングメニューもあります。
ちょうど改札口の上に位置し、人の流れが観察できます。カウンター席にはコンセントもあり、待ち合わせや時間つぶしにもよさそうですね。
自家製の紅茶パンケーキを頂きました。
ちなみにジャムは蔵王高原農園のもので、5種類の中から2種類を選ぶことができました。
食べ終わり、下に降りて地産品ショップを物色中。
地酒やご当地の食べ物、お菓子など気になるものがいっぱい!
その中から岩手県の「岩泉 のむヨーグルト」を自分のお土産に買いました。
駅構内を少し移動して、総武線のホームに到着。ここではホームでケーキを作って販売している珍しいお店を発見。
ちょうどハロウィン期間中だったので、ハロウィンのお菓子を買ってしまいました。
4、田端駅で本場さぬきうどん
秋葉原から内回りで6駅。田端駅に降り立ちました。なんだかリアルすごろくゲームをやっている気分になってきました。
電車旅らしく駅そばを食べようと思います。特にこの駅にあるお店は、改札内では珍しい”本場さぬきうどん”が食べられるお店なのです。
店内はいわゆる”立ち喰い”ではなく座席になっているので、一人女性客もたくさん。お腹もいっぱいになってきたので、サッパリと「ぶっかけうどん(小)」を頂きます。270円という安さも魅力的。
仕事のメール対応をしなくてはならなくなり、急きょ向かいのコーヒーショップで一回休み。ますます、すごろくゲーム気分になってきました。
結果的にこの駅では、うどん+アイスコーヒーという、思いもよらぬ組み合わせに…。
仕事の対応も終わったところで再開。いよいよ最終ゴールの渋谷駅を目指します。
5、渋谷駅ホームでカップ麺
田端駅から11駅目、渋谷駅に到着しました。渋谷駅はいつでも乗り降りするお客さんが多いですね。
人々の流れに逆らって、ホームの最後尾に行くと、なにやら存在感のあるお店の入り口が。
ここはカップ麺「どん兵衛」を食べられるお店なのです。しかも東日本以外のいろんな地域限定味も楽しむことができます。
食券を買って店員さんに渡すと、お湯を注がれたカップ麺と、砂時計を渡されます。
出来上がりまでテーブルで5分待っている間も山手線が次々到着。そのたびにホームから不思議そうな視線も注がれます。
砂時計が終わり、ふたをあけます。今回は北海道地域限定のカレーうどんをチョイス。
ちなみに隣の人は、一人で東日本と西日本の味の食べ比べをしていました。
実は反対側の山手線外回りのホームにはインスタント麺「ラ王」が食べられるお店もあります。気になりますが、お腹いっぱいでさすがにギブアップ。
渋谷駅で無事改札を出て、今回の山手線大回りグルメツアーはこれで終了。
2015年11月末からは新型車両「E235系」もデビュー予定で、ますます注目の高まる山手線。
普段は”移動手段”として同線を利用していた筆者も、「グルメツアー」といった目的を作って改めて乗ってみると、改札の外に出られないにもかかわらず、意外にとても楽しめてしまいました。
・運賃計算の特例 - JR東日本公式説明ページ
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