【10/23 15時 記事更新完了しました】
和歌山県の御坊(ごぼう)駅~串本駅間などを3日間限定で運行する臨時列車「紀の国トレイナート号」に乗りに行ってみました。“乗り鉄”の視点でレポートしてゆきます。
「紀の国トレイナート号」とは?
和歌山県のJR紀勢線を舞台にしたアートイベント「紀の国トレイナート2016」(10月21日から2か月間)のオープニング3日間に走る臨時列車が「紀の国トレイナート号」です。
初日10月21日は「アート鑑賞列車」。途中色々な駅に停まりながらゆっくり時間をかけて運行します。
列車の想像がつかない『未知の列車』
しかしこの列車、事前情報が少なく本当に乗れるのか不安でした。アートやグルメを楽しむ列車の様ですが、この日だけなのでどんな電車なのか不明なのです。
時刻表を見る限り特に予約も不要、普通乗車券で乗れる快速列車のようです。おそるおそる、乗車駅に向かってみる事にします…
「紀の国トレイナート号」に乗ってみた
筆者の「紀の国トレイナート号」乗車行程は、紀伊田辺825発→御坊0926着、折り返しから本運転で御坊1000発→紀伊田原1440着、折り返し1448発→白浜1657着、トータルで8時間半の旅です。
和歌山県の紀伊田辺駅にやってきました。
すでに駅舎もアート!
ホームへ行くと、すでに「紀の国トレイナート号」が止まっていました。
一見普通の電車に見えますが、なにやら様子がおかしい…?
これは一体!?
乗っていいのか戸惑うレベルですが、乗ってみましょう。
1号車へ。緑がだんだん深くなります。
とても普通の電車(「117系」電車)の中とは思えない近未来空間!
動物のぬいぐるみもいっぱい。
列車が発車しました。まだこの区間(紀伊田辺→御坊)ではカフェ営業などもなく、木々と動物が静かに揺られているという不思議な空間に。
列車は御坊(ごぼう)駅に到着。ここからが本運行となります。
駅前広場ではセレモニーが行われていました。皆さんが持っていたバルーンには、方言?が書かれていました。
着物姿の女性らに見送られ、御坊駅を出発!
まずジェラートもなかの車内販売がやってきました。店員さんのおすすめで山椒チョコ味をゲット。
山椒は思ったより主張してこなくて美味しかったです。
“もなか”なので、テーブルの無い電車内でも食べやすいのもグッド。
「紀の国トレイナート号」は快速列車で、幾つかの駅に約5~30分ほど停車します。その間に、駅舎アートなどを楽しめます。
紀の国トレイナート号は印南(いなみ)に到着。カエルの町ということでカエルのお面をかぶった小学生たちによるお出迎えを受けました。
ホームいっぱいに並ぶ姿は壮観でした。
駅舎のベンチに座るカエル。JRぽい制服と帽子をかぶっているので駅長さんなのでしょうか(笑)
初めてこの駅に降りたのですが、カエル橋が気になって停車中に探しました。
ありました。
車窓に空と海が広がって綺麗です!
南部(みなべ)駅では停車中に梅ジュースや梅干しの振る舞いが!
再び「紀の国トレイナート号」に戻ると1号車ではボタニカルカフェが開店。生ビールサーバもあります。
誘惑に負けて午前中からビール飲んでしまいました…
そうこうしている間に電車内でベトナム料理の販売が始まりました。
いただきます!
海が目の前の駅、見老津(みろづ)駅では40分の停車です。
駅の中でたいやきのいい匂いがしてきたので、また買ってしまいました。
駅でたい焼きを買って、ホームで海を眺めていると…
紀の国トレイナートのデザイン列車(普通列車)が反対方向からやってきました。
紀の国トレイナート号の1号車、今度はコーヒーカフェに変身。
トレイナートブレンドを注文してみました。
注文後、「ハンドドリップコーヒー」の意味が分かりました。
セットされた豆を自分で挽く体験ができるのです。
最初うまくできず戸惑いましたが、ロングシートに座って、ふとももの間に挟んで回すとうまく挽く事ができました。
みな一生懸命回しています。
それにしてもこれが走る電車の中(しかも117系)とは思えません。
粉になった物を少しずつお湯を注いで、ドリップしてもらえます。
乗車券だけで乗れる電車とは思えないオシャレカフェでコーヒータイム。
自分で挽いたコーヒーは美味しさもひとしお。
ペンギンオブジェの後ろには特急くろしお。
お見送りやおもてなし、仕掛けが多くてとても楽しい気分になりました。
この辺りは「うなぎ」も有名。出来たてのうな重の車内販売も。
人生初の電車内うな重。アツアツで美味しく頂きました。
あっというまに終点紀伊田原駅に到着し、復路になります。
途中串本駅ホームでは美味しそうなパンも売っていましたが、さすがにお腹いっぱいなので断念…食べたかったなあ。
紀の国トレイナート号の復路では『バー』がオープン!
お昼のカフェとがまた違い、大人な雰囲気の電車に。
また誘惑に負けて梅ジンジャーハイボールを飲んでしまいました。
ほろ酔い気分になり、白浜駅で下車し「紀の国トレイナート号」ともお別れ。
日常の電車が、アートと沿線地域の魔法で非日常の電車に変身できることを感じさせられた旅となりました。
トータル8時間半の旅でしたが、
「次の駅に停車→駅舎見学」
「カフェカウンターの営業」
「様々なグルメの車内販売」
「ホームでのおもてなし・試飲」
…などなど、想像していたよりも頻繁に(感覚では平均15分に1回くらい)イベントが発生し、退屈になるどころかあっという間で充実した紀伊半島の乗り鉄旅となりました。
今日の形での運行は1日のみ、「紀の国トレイナート号」自体も計3日間しか運行されないのがとても惜しいくらい楽しい電車でした。来年はどのような形で走るのか!?今から楽しみです。
動画
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