鉄道と道路が平面交差する「踏切」。多くの踏切には遮断棒や踏切警報機が付いています。
その「踏切」の警報音といえば…現在は「カーン・カーン・カーン」という「電子音」が主流です。
現在主流の踏切音の動画です(音が出ます)。地域や路線によって少し異なりますが、だいたいこのような『電子音』ですよね。
しかし昔の踏切は電子音ではありませんでした。
情緒あふれる踏切を求めて千葉県へ
ではどんな音だったのか!?今も僅かに残る古いタイプの踏切に会いに行ってみました。
東京駅から電車で約1時間弱、千葉県の五井駅にやってきました。
この駅はローカル線「小湊鐵道」の始発駅でもあります。
五井駅から南西方向に歩く事約5分。小湊鐵道の踏切が見えてきました。
この踏切こそ、都市部ではめっきり聞く事のなくなった『鐘を叩いて音を出している踏切』の1つです。早速動画でその様子を紹介します。
(名称は「電『鈴』式踏切といいますが、その音のイメージから「鐘を叩いて」と表現しています)
「チン・チン・チン」と、鐘の音が響く情緒感あふれる踏切。
懐かしかったり、もしかしたら初めて聞く方も多いかもしれませんね。かくいう筆者も、10年前に熊本県の熊本電鉄車内から聞いたのが初めてで、『なんだ今の音は!』と驚いたものです。
神奈川県でも聞ける場所があった…!
実はこの音が聞ける踏切は神奈川県にもあるとTwitterで教えて頂き、行ってみました。
場所は意外にも(!?)「江ノ電」こと、江ノ島電鉄。腰越~江ノ島間に来てみました。
あれ、大きな道路と線路が交差しているのに遮断機がない…!?
この場所、車と同じ道路を走る「併用軌道」のちょうど始まりの地点なのです。
左側を向くとこのように普通の線路。このアングルで見渡した時、自分が立っている場所に遮断機が無いことにすごく不思議な感覚を覚えました。
さて、江ノ電がやってきました。電車が近づくと、降りてくる遮断棒はありませんが、警告灯と踏切音(電車接近警報装置)が鳴ります。音を聞いてみましょう。
こちらも、先ほどの五井駅と同じく、情緒あるサウンドです。
しかもこちらは鳴り終わりに音のスピードが落ちて余韻があり、さらに味があります!
この場所に実際に江ノ電がやってくると、音だけでなく目の前を通過する迫力にビックリします。
ちなみにこの道路の向かいには、「江ノ電もなか」屋さんがあり、本物の古い江ノ電の車両の「顔」があるのです。
ちなみに筆者が行った日はお休みでした…。
今やなかなか聞けなくなってしまったノスタルジックな踏切音。このほかにも地方ローカル線などでまだ幾つかあるそうですが、いつまでも残ってほしいものです。
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