【2017.5】2014年11月5日公開の記事を一部リニューアルしました。記載内容はすべて当時のものです。
「幸せの黄色い新幹線」として人気の「ドクターイエロー」。
このほど車内見学ツアーに参加してみましたので、ベールに包まれていたドクターイエロー車内をレポートします!
新幹線のお医者さんである「ドクターイエロー」は会えるだけでもレアですが、線路や架線の状態をチェックする点検用車両のため一般客が乗る事の出来ないその車内はさらにレア!
子供から大人まで注目の的のドクターイエロー。
ついにその車内へ潜入!
普通そうで普通じゃない「添乗室」
まず目に入ったのは意外にも通常の新幹線「700系」のような車内。でも振り返ると・・
壁面にはモニタ画面が!この区画は関係者などへのレクチャールームとして使われるそう。
良くみると、荷物棚に書いてあるはずの「1番AB」のような座席番号の表示が無いことにお気づきでしょうか?
通常の新幹線にはあるはずの、客室ドア上の案内掲示板もありません。
ここから異世界が始まる…
とはいえまだ新幹線らしさがあった車内ですが、この先からはドクターイエローならではの空間が続きます!
資材を置くための車両。座席の無い新幹線の車内はとても広い!
ここにパンタグラフ(集電装置)など交換用の部品や検査作業に必要な道具を置いておく場所。
資材の出し入れがしやすいよう、普通の新幹線よりドアが大きくなっています。
続く廊下、壁の向こう側には・・
車両によっては廊下が続くエリアが。壁の向こうに何があるのか気になる所。
・・とその前に、ここでドクターイエロー車内の通路や共用設備のヒミツをご紹介。
ドクターイエロー車内設備のヒミツ
ワケありの空調吹き出し口
ドクターイエローは天井裏にデータを運ぶためのケーブルがたくさんあるため、通常の新幹線より低い位置に吹き出し口がついています。
エキサイティングな連結部分
ドクターイエローではさまざまなデータを集めるため、ケーブルが車両をまたいで張りめぐらされています。
車内に坂や段差が
線路のゆがみを測定する機器が床下についているため、床が高くなっている車両も。廊下やデッキに坂や段差があるのが印象的。
会社の給湯室?いえ、新幹線です
車内には銀色のシンクも。まるで会社の給湯室のよう。
ココは普通の700系だった
車内には、ドクターイエローに乗車する検査員のためのトイレも設置されています。そのトイレや洗面台は通常の700系と同じとの事。
ドクターイエローのロゴ!?
ドクターイエローの外観には、名称やロゴマークなどは一切描かれていませんが、車内には「Dr.YELLOW」の文字を発見!
秘密の個室
先ほどの廊下の所々にはドアが。その向こうには・・
ミーティングルーム。ソファとテーブルが並んでいます。
こちらは休憩室。シートの柄は700系普通席と同じ。
他にも会議室のような個室も。
突然現れる階段と1人掛けの座席
編成中2両には車両の真ん中に階段と1人掛けの座席が。
ドクターイエローを見たことがあったり、鉄道に詳しい方の中にはピンとくる方もいらっしゃるのでは。
これは、走りながらパンタグラフや電気設備の監視・点検ができるようになっている「観測ドーム」。
ドームではカメラでの撮影もしています。
観測ドームの座席からパンタグラフを見た様子。筆者が思っていたよりも遠くにパンタグラフがありました。
見るだけでなく、データ化も
「高圧室」と呼ばれる部屋では、パンタグラフなどから取り込んだ電気設備の測定データを作っています。
映像やデータをリアルタイム監視する”心臓部”
軌道検測室
床下装置から線路の状態のデータなどが送信され、この部屋のモニターに映し出されます。検査員はモニターを見ながら点検を行います。
動く車内のためか、椅子にはローラーが付いていませんでした。
客室ドアの上に付いていそうな表示器が側面に。
ドクターイエローの先頭部に設置されているカメラで線路の状態を撮影し、モニターに映し出してチェックを行います。
電気関係検測室
このエリアはちょっとしたオフィスのような雰囲気を感じました。
その裏は、緊張感ただよう監視ルームになっていました。
架線の状態や、ATCの信号レベル等のデータが送信され、モニタに映し出されます。検査員はモニタを見ながら点検を行います。
新幹線の安全を支える「お医者さん」
車内見学全体を通して、テレビに出てくるようなNASAあるいは消防などの指令室のような”緊張感のあるかっこよさ”を感じました。
実際の検測中ではありませんでしたが、プロ集団が集まって車内でチェックをしている姿が想像できました。
その神出鬼没さから「見られると幸せになれる」というイメージの強いドクターイエローですが、車内を見学しその設備や作業内容を目の当たりにし、改めてドクターイエローは「新幹線のお医者さん」であり、日本の大動脈の安全を支えている車両だという事を実感しました。
最後に潜入時の様子を動画でもどうぞ!
ドクターイエロー車内動画
リンク
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