2016年3月26日、北海道新幹線(新青森~新函館北斗間)が開業、本州と北海道が新幹線で結ばれました。
今回はその“車両”に注目してみましょう。北海道新幹線を走行する車種としては「H5系」と「E5系」の2種類があります。

JR東日本が所有する「E5系」
2011年に東北新幹線はやぶさとしてデビューした「E5系」(JR東日本が所有)と、それをベースに北海道新幹線開業にあわせてデビューした「H5系」(JR北海道が所有)。

JR北海道が所有する「H5系」。「E5系」との違いは!?
どちらも同じように東京~新函館北斗間の「はやぶさ」「はやて」などとして活躍中です。
形もほぼ同じ両者、いったい何が違うのか?今回はそんな疑問にお答えすべく、両方を乗り比べてみた筆者の独断と偏見の【難易度別】に5つに分けて“間違い探し”をしてみたいと思います。
1、車体の帯の色が違う(難易度:5)

外観形状やメインカラーは一緒ですが、帯の色が異なります。これが外観上の最も大きな違いといえるでしょう。

「E5系」はピンク色のラインなのに対し、「H5系」は北海道のライラックやルピナス、ラベンダーなどをイメージした紫色となっています。
2、ロゴマークが違う(難易度:15)

E5系のロゴマーク
「E5系」では、1・10号車(両先頭車)の車体側面にハヤブサをモチーフとしたロゴマークが描かれています。

H5系のロゴマーク
「H5系」では“北海道の雄大さ”と北海道に飛来する“シロハヤブサ”をモチーフとしたロゴマークに。
ちなみにH5系では1・10号車に加え3・5・7号車にもロゴマークが描かれています。
3、乗降ドアの色が違う(難易度:30)
ここからは、いよいよ実際に乗ってみないと分からない違いに。

乗降ドアの違い。写真左がE5系、写真右がH5系
入ってすぐに大きな相違点があります。「E5系」(写真左)は普通車の乗降ドアの色がベージュ系なのに対し、「H5系」(右)はJR北海道のコーポレートカラーを連想させる萌黄色に。

H5系グランクラスの乗降ドアは赤紫色に
ちなみに「グリーン車」や最上級席「グランクラス」の乗降ドアは「E5系」が赤色に対し「H5系」は赤紫色になっています。
4、床やカーテンの柄が違う(難易度:40)

「H5系」の客室内に進みます。座席自体は「E5系」と同一ですが、床の色や模様が“北海道仕様”になっています。

「H5系」普通車の床の模様
普通車の床は「雪の結晶」をイメージしたものになっています。

また普通車のブラインドは縄文土器の文様やアイヌ文様等にヒントを得た柄のデザインに。

「H5系」グリーン車のカーペット
グリーン車やグランクラスも座席は「E5系」と同一ですが床の模様が異なります。「H5系」グリーン車のカーペットは「流氷の海明け」のデザイン。

「H5系」グランクラスのカーペット
グランクラスのカーペットは沿線に点在する湖沼や海の水面が輝く様を表現したデザインになっています。
5、車内照明がLED・普通席全席コンセント(難易度:50)

「E5系」の普通車・グリーン車の車内照明は蛍光灯(※)ですが、「H5系」ではLEDに。それに伴い灯具の形状も少し違っています。

また「E5系」普通車では最前列の全席および窓側のみの設置(※)だったコンセントが、「H5系」では普通車も全席に設置されています。

新しいE5系普通車も全席コンセントに。H5系と床の違いにも注目。
(※)…「E5系」も2015年度以降に製造された新しい編成は、全号車LED車内照明・普通車も全席コンセント付きに。
オマケ…番外編【難易度:60以上】
『番外編』としてさらに、難易度『高』の相違点をご紹介します。
客室・デッキ間のドアが少しだけ違う(難易度:75)

「H5系」の、客室・デッキ間のドア
普通車の客室とデッキの間にあるドア、パッと見同じに見えるのですが、よ~く見ると窓の幅と長さが少し異なります。

「E5系」の、客室・デッキ間のドア
グランクラスの壁の木目の方向が違う(難易度:90)
グランクラスのデッキ側にある壁、両者とも木目調で一見同じに見えるのですが、よく見ると木目の方向が違う!?

「E5系」のグランクラス
「E5系」は横方向、「H5系」は縦方向なのです。

「H5系」のグランクラス
両者のグランクラスを乗り比べないと分からない(乗っても気づかない!?)という意味でも難易度の高い違いといえましょう。
これ以外にも、細かい違いがあるのですが…そろそろページを閉じられてしまいそうなので、この辺にしておきます。
どうやったら「H5系」に乗れる?
いかがだったでしょうか。「H5系」は「E5系」ベースでありながらも、車両の内外に“北海道らしさ”がちりばめられていることがお分かり頂けたかと思います。

北海道新幹線開業日地点では「H5系」が使用される列車が決まっています。2016年3月26日現在の運用は下記の通りです。
下り「H5系」時刻表
- 「はやぶさ95号」仙台6:40→新函館北斗10:07
- 「はやぶさ17号」東京11:20→新青森14:43
- 「はやぶさ29号」東京17:20→新函館北斗21:48
- 「やまびこ223号」東京21:44→仙台23:47
上り「H5系」時刻表
- 「はやぶさ10号」新函館北斗6:35→東京11:04
- 「はやぶさ22号」新函館北斗12:44→東京17:04
- 「はやぶさ32号」新青森17:44→東京21:04
運用は変わる事もありますのでご了承ください。『H5系に乗る!』という方はぜひこの記事を参考に「E5系」との違いを楽しんでみてくださいね。
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撮影:福岡誠

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