2015年8月、まもなく完全引退となる上野~札幌間を結ぶ寝台特急「北斗星」。
全盛期の「北斗星」車内から、豪華派生列車「夢空間北斗星」、そして「北斗星」を牽引してきた電気機関車など、さまざまな「北斗星」の姿や雰囲気をお届けします。
写真は特筆を除き2002~2007年頃の撮影です。
全盛期の「北斗星」と各設備・個室
2010年頃まで「北斗星」は「EF81」という電気機関車が本州区間を牽引していました。
全盛期は上野発が「1・3・5号」、札幌発が「2・4・6号」と、毎日3往復走っていました。
「1・2号」はJR北海道所有の車両で、食堂車「グランシャリオ」も晩年の車両(JR東日本の車両)とも雰囲気が異なっていました。
赤いランプシェードが印象的なJR北海道所有の北斗星食堂車。
「北斗星1・2・5・6号」の半室(1両の半分)ロビーの様子です。編成によってランプ・椅子の形状など微妙な差異がありました。
共用(予約制)のシャワールームです。
B寝台(解放2段寝台)の様子です。
B寝台1人用個室「ソロ」。
B寝台2人用個室「デュエット」。
A寝台1人用個室「ロイヤル」。補助ベッドを引き出すとダブルベッドとなり、2人利用も可能。
A寝台2人用個室「ツインデラックス」。個室の中が2段寝台になっており、昼間はソファにもなります。
こちらはかつて「北斗星1・2号」に隔日で連結されていた「ツインデラックス」。先ほどの2段寝台タイプと違い、「デュエット」が広く豪華になって洗面台が付いたような構造でした。
かつての「北斗星3・4号」には1両すべてがロビーの車両が連結されていました。このうち1両は予備車として残され、奇しくも2015年4月~8月の最後の臨時「北斗星」で”復活”しました。
「北斗星」派生列車・そして豪華列車「夢空間北斗星」
全盛期の繁忙期には、「北斗星1号」を札幌から小樽まで延長運転する「北斗星小樽号」や、オリエント急行をモチーフにした3両の豪華試作客車「夢空間」を連結した「夢空間北斗星」・「北斗星トマムスキー号」なども年に数回運転されました。
「夢空間」は①展望ダイニングカー・②ラウンジカー・③デラックススリーパー(スイートルーム車両)の3両からなり、主に「北斗星」編成と連結の上、臨時列車として運転されました。
「夢空間北斗星」のデラックススリーパーの1個室「スーペリアツイン」のベッドです。ホテルのようなツインベッド、食堂車直通の電話などが備わります。ブラウン管のTVは衛星放送が観られました。
「スーペリアツイン」のソファです。
その右側には、今でも珍しい”バスタブ付き”のお風呂・洗面・トイレが付いています。
デラックススリーパーには「スーペリアツイン」2室と「エクセレントスイート」1部屋がありましたが、3部屋とも”バスタブ”付きでした。
夢空間北斗星「デラックススリーパー」の廊下です。
夢空間北斗星のラウンジカー。自動演奏ピアノが流れ、まるでホテルのバーのような雰囲気でした。
夢空間北斗星のダイニングカーは、下りでは最後尾となり、大きな窓で流れゆく景色を見ながら食事ができました。また”個室ダイニング”も備わっていました。
本州で「北斗星」を牽いてきた電気機関車たち
左がデビュー時から2010年頃まで「北斗星」本州区間を牽いてきた「EF81」。右は2010年以降の北斗星の主力機関車「EF510」です。
実は「北斗星」のヘッドマークは銀枠のもの(左)と金枠のもの(右)の2種類があります。
機関区に並んだ「北斗星」「カシオペア」の新旧機関車。
まれに「カシオペア」色の機関車が「北斗星」を牽引することもありました。
「北斗星」車内スナップあれこれ
最後に、「北斗星」の乗車スナップをいくつかご紹介します。
豪華なイメージの「北斗星」車両ですが、所々にレトロな表記などがありました。
この扉を開けると、食堂車「グランシャリオ」です。食堂車の入り口には営業時間の案内などが釣り下がっていました。
ディナーのセットが整った食堂車の様子。
予約制のディナータイム終了後は予約不要の「パブタイム」の営業がありました。ハンバーグやビーフシチュー、パスタや一品料理におつまみ・デザートなど、充実したメニューでした。(2007年撮影)
パブタイムのハンバーグセットです。(2010年撮影)
「北斗星」の個室の廊下は、編成や号車によって雰囲気がさまざまなのも特徴の一つでした。
朝の食堂車。下り「北斗星」(札幌行き)では、前夜の景色とうってかわって広大な景色を眺めながら朝食を食べることができました。
晩年の北斗星モーニングタイムの朝食(洋食)です。(2014年撮影)
27年間、さまざまな夢や想いを乗せて走ってきた寝台特急「北斗星」。いよいよ2015年8月21日(上野発)・22日(札幌発)ラストランを迎えます。
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