千葉県鴨川市にあるJR内房線 江見駅。2020年、ここに全国で初めて駅と郵便局が一体運営化した「江見駅郵便局」が開局しました。駅と郵便局が一緒ってどんな感じなのでしょうか?
江見駅郵便局
中に入ってみましょう♪
局長にお話を伺いました!
Q:局内にコンパクトな駅機能がありますが、「キオスク」も?
若月局長:「正式名称は『オフィスキオスク』と言いまして、今までJR社内の社員向けのものだったんです。それを一般のお客様向けに置くのはここが初めてになります。
江見郵便局がこちらに移転開局する前に、日本郵便サイドで地元のお客様に駅と郵便局が一緒になるにあたってアンケートを取ったんですね、その中で期待したいことの中に"コンビニを作ってほしい"との声がありました。
ただコンビニをやるほどの需要も見込めませんし、我々だけでは運営できませんので、こちらの形が良いのではないかということで、2021年2月に設置しました。無人レジということで現金の扱いができませんので、交通系ICで支払って頂く形です」
Q:駅と郵便局が一体化したことでの地域へのメリットはなんでしょう?
若月局長:「駅を使ったついでに、郵便局でのサービスをワンストップで受けられる。駅を利用する方にしてみれば、何かあった時にすぐに聞けるってことですね。
駅と郵便局が一体化し、ICカードのチャージ機が設置されました。無人駅だと置けないみたいですね。切符を買う方は実はそんなに多くないんです。みなさん、1回Suicaお持ちになれば、それで乗り降りされるので。一番多いのは通学で利用している高校生で、ほとんど皆さん定期利用です。
そう言ったところで、駅に人がいるという安心感があると思うんですね。郵便局が綺麗になって良かったね、ともよく言われます」
Q:「駅メモ!」シリーズコラボのきっかけ、またその後変化はありましたか?
若月局長:「全国初の郵便局と一体の駅ということで、最初は注目も集まるだろうなと思う一方、ひと月もすればブームは終わるだろうなとも思いました。それは勿体無いなというところで、継続的・持続的に地方創生に役立てられる、継続的に来てもらえる策が無いかなと考えました」
「私自身が鉄道・アニメファンをやってるところで、鉄道に乗る旅(乗り鉄)もずっとやっていたんです。それで「駅メモ!」シリーズの存在は知っていて、このゲームとコラボできたら面白いなっていうのは考えてたんですね。自分でもゲームを始めてみて、運営さんと連絡を取って、何かちょっとできませんか、と相談してみました。
それだったら友荷なよりというキャラクターがお便りを届けるでんこ(パートナーキャラ)という位置付けなので、"お便り=郵便局"ということであればなよりが江見郵便局が新しくなるのにふさわしいんではなかろうかというお話をいただきまして、コラボしましょうと、運営のモバイルファクトリーさんの方が乗ってくださりました」
「そこからじゃあどんな組み立てができるかなというところで、このゲームの特性である現地に赴いて、プラス周辺をチェックイン(位置登録)するデジタルスタンプラリーをやりましょう、となりました。
昨今の情勢で現地に出かけるのを自粛されている方もいる中で、お出かけしないでも参加できる“郵便局ならでは”の企画ができないか、ということを検討し、デジタルスタンプラリーと並行して『バースデーカード企画』を実施しました。このような企画は「駅メモ!」シリーズ初の試みでしたが、ユーザーの方にも好意的に受け入れて頂けたようです。モバイルファクトリーさんにとっても初めてでしたけど、ユーザーの方にとってもそういった参加形態があるんだ!と。参加できたことが喜んでいただけたんですね。」
「1日の乗降は50人程度で、遠くから来られる人も多いです。今しがた大阪からのお客さんがいらっしゃいました。「駅メモ!」シリーズ始める以前から鉄道趣味・郵便局回り趣味の方が全国から沢山来ていましたが、『どこからお越しですか?』とコミュニケーション取れるようになったのは「駅メモ!」シリーズがきっかけです。駅ノートやSNSを見ても全国から来訪されているのを実感しています。」
Q:駅機能を持たせている郵便局として業務の忙しさはどうですか?
若月局長:「JR窓口の利用というのは実際の所そんなに多くないです。切符の発売が1枚もない日もあれば、中にはここで買えるものを色々買っていきたいという方で"先の日付で、ここから乗らない切符"を作っていく方もいらっしゃいます。」
「ここで発券したものを使いたいという思いなのか、使わないで取っておくのか、入場券は結構出ますし、長いところではここから青森まで作りましたし、出雲市までの切符を週に2回出したりと、たまに長距離が出ますね。ここが絡まないようなところの区間の乗車券とか自由席特急券も作りますね。ここで指定席は取れないので、あとは回数券とか磁気式の定期券ですね。日によってはいっぱい来ますけどね。」
Q:これから訪問を考えている皆さんにメッセージをおねがいします!
若月局長:「江見を起点に、鴨川は観光の街ですので、ぜひ満喫していってください。できれば鉄道を使って来て欲しいですね。友荷なよりの「鴨川ふるさと特別大使」就任記念キャンペーンも楽しんでいってください。皆さまのおかげで、友荷なよりが私よりも偉くなりました(笑)」
江見駅郵便局に行くには?
江見駅郵便局は、JR内房線 江見駅ホーム隣接で改札外になります。江見駅は安房鴨川駅から内房線で2駅の所にあります。江見駅郵便局の開局時間は平日の9:00~17:00です(土休日は休み)。
東京駅からは総武快速線または京葉線と、外房線または内房線周りで約3時間~3時間半、特急わかしお+内房線で2時間と少しで江見駅に行くことができます。
駅メモ!公式サイトお知らせ:友荷なより「鴨川ふるさと特別大使」就任記念キャンペーン
【2022/04/14】記事タイトル・本文冒頭の表記を一部修正しました。