2022年5月24日、名古屋~高山間などを結ぶJR東海の特急「ひだ」のハイブリッド方式次期特急車両「HC85系」(量産車)の試乗列車に乗ってきました。その様子を動画・写真を中心に記事で紹介します。
動画(6分43秒)
【追記】車内チャイム動画
HC85系って?
特急「ひだ」「南紀」に使用している85系気動車(キハ85系)の取替を見据えた、ハイブリッド方式の次期特急車両。
JR東海の担当者によると(2019年のお披露目時)、「エンジンを除けば回路・機器などほとんど電車のもの。できるだけ『電車』のメリットを享受できるような"クルマ"」となっています。
車内は全座席にコンセントを設置。また一体成型による新型台車枠・振動検知装置など安全性を高めるための技術を新たに導入しています。
ハイブリッド方式の鉄道車両では国内初の最高速度120km/hでの営業運転を目指します。
HC85系量産車に乗車
前回のHC85系試乗では、試験走行車による鵜沼~名古屋間の乗車でしたが、今回は、実際にお客さんを乗せて走る仕様の「量産車」に乗って、名古屋駅から高山駅へ向かいます。まだ体験していない「グリーン車」も見てみたいと思います。
7/1にデビューの新型特急ひだ「HC85系」量産車が入線!
— 鉄道新聞®︎ (@tetsudoshimbun) May 24, 2022
これから試乗します。どんな感じか知りたい!という所などあればリプください。可能な範囲で見てきます! pic.twitter.com/QumPgO8GGF
新型特急ひだHC85系量産車に乗り込みます!
— 鉄道新聞®︎ (@tetsudoshimbun) May 24, 2022
(普通車ですが試乗会のためグリーン車乗降口から乗り込みます) pic.twitter.com/keQWviYm4f
新型特急ひだHC85系は名古屋駅を発車しました。岐阜から進行方向が変わるため、シートは予め後ろ向きにされています。
新型特急ひだHC85系、車内メロディが流れました。なんと「アルプスの牧場」現代アレンジ!
— 鉄道新聞®︎ (@tetsudoshimbun) May 24, 2022
慌てて撮ったため最後のみでごめんなさい。。 pic.twitter.com/XZjZPaXToh
新型特急ひだHC85系は岐阜駅を発車!加速や車内音、自動放送をお届けします。
— 鉄道新聞®︎ (@tetsudoshimbun) May 24, 2022
ディーゼル特急というよりは電車特急のような乗り心地です。気動車独特の細かい振動もほとんどありません。 pic.twitter.com/X24GfUiwxx
車内案内ディスプレイを見てみます。試験車両ではフルカラーLEDでしたが、量産車ではフルカラー液晶になりました。
普通車の様子です。担当者によると、新幹線N700SやN700Aと同じ仕様としている部位があります。具体的には、N700Sと同じ:コンセント・リクライニングレバー・ひじ当て・背面テーブルストッパ、 N700S・N700Aと同じ:アミ袋です。
普通車も全席コンセントがついています。
また、3号車に車いすスペースが設けられています。
いよいよグリーン車を見学してみます。
グリーン車の様子です。2-2列ではありますが実際座ってみると足元も広く、重厚感あります。またN700Aグリーン車やN700Sと同じく、リクライニングすると座面も少し沈む仕様でした。
1号車、乗務員室側は壁で前面展望は楽しめません。デッキに出ると中央の小さい窓から少しだけ前が見えました。
試験車両では見られなかった設備がありました。グリーン車や普通車のデッキに、沿線の伝統工芸品を鑑賞できるスペース「ナノミュージアム」。
車両ごとに異なる工芸品を設置しているそうです。
HC85系は『ワイドビュー』の愛称こそ付きませんが、外から見るよりも実際乗ると窓サイズも結構大きく感じます。
高山本線の美しい車窓も満喫できます。
新型特急ひだHC85系は終点高山に到着しました。
Twitterでは中継にお付き合い頂き、またリプも頂きましてありがとうございました!
いつから乗れるの?
この新しい特急ひだ・南紀車両HC85系は2022年7月1日から順次デビュー。7月1日からは「ひだ1・4・10・17号」、8月1日からは「ひだ1・2・4・10・15・17号」がHC85系での運行となります(都合により急遽、他の車両で運転する場合があります)。また、同社によるとHC85系の大阪や富山方面の投入についても検討中とのことです。
【2022/5/27】 普通車シートの説明文など一部内容を加筆修正しました。