こんにちは。編集長の福岡 誠です。2020年8月18日、JR西日本の豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風」の要部検査と呼ばれる4年に1度の定期検査の様子を見てきました。
「瑞風」は同社在来線初となる装備も多く、また豪華列車ゆえ格別の配慮が必要。その辺の話を含め既に当日レポートをお届けしていますが、改めて現場はどんな感じだったか、未公開カットを中心にユルくお届けします。
動画はこちら(2分37秒)
鳥取県米子市にあるJR西日本の車両基地、「後藤総合車両所」です。
可愛いウェルカムボードも。
瑞風の概要です。デビューは2017年ですが、落成は2016年であることに注目。
まず初めに、今回「瑞風」が行っている要部検査の流れを勉強します。色々な工程があります。
「要部検査」の流れが分かったところで、いよいよ現場へ。
検査中の「瑞風」とご対面!
…おっと、1両の中にわずか1部屋しかない7号車「ザ・スイート」の車両だ!
1両でもどっしりとたたずむそのオーラ。車体は相変わらずピッカピカ。
…と思いきや、よ~く見ると写真中央あたりに僅かに表面キズが。言われないと気付かないくらい。これらを、これから修繕するようです。
計画段階から参画し準備をしてきたという、外部の高度な塗装を専門とする業者が補修してゆきます。相当に気を遣っているとのこと。
同じ個所を、ていねいに何度も何度も、色々な工程で繰り返し作業をしている様子が印象的でした。
次に案内されたのは、建屋の中にあるちょっと新しそうな建屋。ここでは防毒マスクを付けての取材です。
小窓を覗き込むと…え、なんか腕のようなものが動いている!
何層にもおよぶクリアー塗装をロボットが完全に自動で行っていました。大きい割に動きが機敏でインパクトありました。
この設備は『瑞風の検査に向け、少し前に導入』したとのことで、『ほかの車両にも使っている』そうです。
そして今度は別の建屋へ、ここでは吊り上げられている瑞風の姿が!
この車両は機器類の点検・修繕が終わり、仮台車から本台車へ履き替える「車体載せ」の作業中でした。
「瑞風」は、在来線車両の中でもかなり『重さ』がある車両です。
そんな、見るからに重量感ある車体が宙を舞う姿は圧巻!(そして普段拝めない車体断面が良く見える…!)
一部始終はこちらの動画で!
そして、最後は慎重に慎重に、本台車と合体!
載せた後は、作業員の方々が車高などを測ってチェック。
要部検査では、動力装置など重要な装置の主要部分は取り外し・解体して検査します。
以上、瑞風の要部検査の現場をお届けしました。
限られた時間で、要部検査の1つ1つをしっかり見たわけではないですが、取り外された主要機器がズラッと並べられ、多くの作業員の手により丁寧に点検が行われている様子を垣間見ることができました。
なおこの「要部検査」要件は『4年又は(走行距離)50万km』なのですが、今回の瑞風は『走行距離』ではなく、『4年』のほうで検査となっています。
「え、瑞風は2017年にデビューしてまだ3年では?」という声も聞こえてきそうですが、落成して配置されたのはその前年2016年で、配置された時点で、検査対象の年数カウントは始まるそうです。なので、もう「4年」というわけですね。
車両所内には、「単線用雪カキ車」も展示されていました。
ちなみに「後藤総合車両所」の最寄り駅は米子~境港間を結ぶJR境線の富士見町駅。
境線にはユニークな妖怪列車「鬼太郎列車」が走っています。終点の境港駅前も鬼太郎一色でした!